Archive for 2011年5月

中山英之展「小さくて大きな家」

中山英之展「小さくて大きな家」をAXISギャラリーに観に行きました。
 

 
中山英之さんは、僕のイメージとしては、結構石上純也さんに似た路線という感じだったんですが、今回の展示をみて、それは違うのかな?という感じがして中山さんの作品をやっと知った感がありました。どうしてもとびらプロジェクトの印象が強くて、余り建築らしからぬ、イメージで建築自体を更新しようとしているような人かと思っていたのですが、実際はそんなこともなく、結構建築らしい建築を作ってました。
 
今回は色々な作品の模型が出てたのですが、大体が外側と内側の意識を変えるような仕組みになっていた様な物が多かったですね。あとは形がフレキシブルに変わるような。建築というと固定されたイメージというか、壁があるとかドアがあるとか屋根があるとかそういうようなところから考え直すような作品がいくつかって感じでした。
 
展示方法は恐らく自分で作ったような机の上に敷地と見立てたテーブルクロスを敷いて、その上に建築模型をならべていて、なかなか見やすくて面白い模型の見せ方をしているなという感じになっていました。これからどんな作品をつくるのかが楽しみですね。
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中山英之/スケッチング (神戸芸術工科大学レクチャーシリーズ 2-3)
中山 英之
新宿書房
売り上げランキング: 156183

 
 

河村要助「伝説のイラストレーター 河村要助の真実」

河村要助さんの「伝説のイラストレーター 河村要助の真実」をクリエイションギャラリーG8で観て来ました。
 

 
「1960年代後半以降のスーパーリアル・イラストレーション全盛期、衝撃的に登場し、その後のイラストレーション史に大きな影響を与えた「ヘタうま」。河村氏はこのムーブメントを牽引したひとりとして、数々の作品を発表し、注目を集めたイラストレーターです。」という、ごあいさつ的なものを読みつつみると思ったよりも、自分がしっている人だったという事がわかってなかなか面白かったです。
 
MUSIC MAGAZINEの表紙をやっている方といえば思い出す人もいるかもしれません。とにかく知らないとしても、音楽をやっている人とかがみるとなかなか面白いものがたくさんありました。ジャズの歴史をまとめたものとかもナカナカ面白かったし、YMOの3人がMUSIC MAGAZINE表紙を飾っているものの原画とか。そのほかにもドローイングみたいなものから別の作品まで紙袋とか置いてあったんですけど、ストーンズを中心にした音楽の関係図の紙袋とかでアレ欲しかったなぁ。
 
ヘタうまとかいわれてるみたいですが、全然上手いよなぁ。これぞイラストだなぁって思う物とかも結構あってこれは必見です。
 

三嶋りつ惠「あるべきようわ 三嶋りつ惠展」

三嶋りつ惠さんの「あるべきようわ 三嶋りつ惠展」を資生堂ギャラリーで観て来ました。
 

 
ベネチアのガラスをつかって作品を作っている方でした。ベネチアでは透明で作品を作る人はいないそうで、かなり珍しくもあり、注目されているそうです。かなり美しい空間にキレイに様々な物を想起させそうなガラスがならんでいました。作品自体はどう読み取っていいのかよくわからなかったですが、とにかく空間とフィットして美しい展示でした。
 
そう思っていたのですが、展示設計に建築家の青木淳さんを迎えているそうです。透明なガラスとそこに入り込むように作られた展示設計とにかくこの組み合わせが非常に良かったです。床以外を可能な限り白に統一するようにしたり、通常の場所と別の位置に受付をつくるなど、引き込み方に参道のような仕組みを持たせたようですが、まさにそれが機能しているといえる素晴らしい展示でした。
 
 

炎の果実―三嶋りつ惠作品集
三嶋 りつ惠
青幻舎
売り上げランキング: 930955

 

青木淳 JUN AOKI COMPLETE WORKS|1| 1991-2004
青木 淳 モーセン ムスタファヴィ 保坂 健二朗
INAX出版
売り上げランキング: 285653

 

青木淳 JUN AOKI COMPLETE WORKS〈2〉青森県立美術館
青木 淳 中山 英之 椹木 野衣 鈴木 理策
INAX出版
売り上げランキング: 191211

 

青木淳/開口部のディテール
青木淳建築計画事務所
彰国社
売り上げランキング: 323494

 

住宅論―12のダイアローグ (10+1series)
青木 淳
INAX出版
売り上げランキング: 146474

 
 

中村哲也「炎迅」

中村哲也さんの「炎迅」をギャラリー小柳で観て来ました。
 

 
F1の形状から近代の速度や振動をとりだしたというような作品のようでした。けど、イマイチ僕にはそこまで読み取れなかったなぁ。今度観る機会があったらそういう視点もいれてみるようにしてみよう。ただ、造形としては美しかったです。流線型というのはこういう物なんだろうなというものを形にしたという印象ですね。昔、BTAPでみた金田勝一さんをすこし思い出しましたが、あれとは見た目は少し似ていても根本的に違うか。
 
 

IKEYAN CHARITY PROJECT

IKEYAN CHARITY PROJECTがPetit luxeでやっていたので観て来ました。
 

 
イケヤン☆という、青木良太さんを中心にして若手の陶芸家が集まって新たな風を吹かせよう
という組織がありまして、そのイケヤン☆メンバーたちで今回の震災に対してのチャリティーを行おうというのを観に行きました。思ったよりもビックネームがWEBに出ていたので期待して行ったんですが、もう売れてしまっていたのか?あまりなかったですねー。あと、欲しいのが少し大きめの器だったのですが、お店が狭かったのであまり置いてなかったので、残念ながらなにも買わずに帰りましたー。

でも、チャリティーというだけあって、かなりお安い値段になっていたので、好きな作家さんのものや、丁度いい器があった人には、かなり良いイベントになっていたんじゃないかなぁ?

稲葉友宏 , 宮田聡志「matter」

稲葉友宏さんと宮田聡志さんの「matter」をCASHI°で観て来ました。
 

 
稲葉友宏さんは鉄の細い棒?を使ってそれが彫刻に変化して行くような作品を作っていました。作品は2つで髑髏と鹿だったんですが、髑髏ってモチーフは色々な意味を持ちすぎていて個人的には余り好きなモチーフじゃないのですが、なかなかだったし、鹿の方についてはかなり良かったです。これが少しずつ錆びて行くことで鹿に近づいたような色になったりするのかなぁ?なんて思ったり。
 
宮田聡志さんの作品は感熱紙に影を焼き付けたような作品で、少しづつ消えて行くということみたいなんだけども。感熱紙だと作品として、耐久性があまりにも無いのでどうなんだろうとは、かなり思いますがその経時変化を見て感じられるという部分ではそこの面白さもあるだろうという感じもしました。
 
経年変化のような時間によって変化する2作品という括りのようだけど、あまり直接的なつながりはなかったかなぁ?でもグループ展よりかなり面白かったです。
 
 

新津保建秀×早見あかり「Spring Ephemeral」

新津保建秀さんと早見あかりさんの「Spring Ephemeral」をFOIL GALLERYに観に行きました。
 

 
新津保建秀さんの写真を観に行こうって思っていて、行ってみて気がついたんですけども、早見あかりさんってももクロの青だった早見あかりさんなんですね。かなり写真の印象が違っていたので、気がつきませんでした。写真は繊細で透明感があり光がキレイに捉えられているという印象で、すごくキレイな写真でした。
 
あと、その撮影しているところのヴィデオやツイートなんかから合成した音を聴けるという作品もあったのですが、これがなかなか面白かったですというか、かなり良い音だったなぁ。試聴に使ってたヘッドフォンがSONYのZX500とZX700だったんですが欲しくなってしまった・・・。
 

SONY ステレオヘッドホン ZX700 MDR-ZX700
ソニー
売り上げランキング: 7562

 

SONY ステレオヘッドホン ZX500 ブラック MDR-ZX500/B
ソニー
売り上げランキング: 66781

 
ちなみにこの写真集とかかなり良いです。これも普通に売ってました。
 

Rugged TimeScape
Rugged TimeScape

posted with amazlet at 11.05.08
新津保 建秀 池上 高志
フォイル
売り上げランキング: 779581

 
 

椛田ちひろ「私のゆくえ」

椛田ちひろさんの成層圏vol.1「私のゆくえ」をgallery αMでみて来ました。
 

 
先日観に行った、MOTでの「MOTアニュアル2011 Nearest Faraway|世界の深さのはかり方」でも出品されていた、椛田ちひろさんの作品がαMでも観れるということだったので行ったのですが、作品のタイプは少し違う感じでしたが、共通して自分の時間のまたは記憶の軌跡を蓄積させているそれを重ねてその瞬間を絵画にしているような作品が印象的ですね。
 
絵画は瞬間として捉えられるが、その裏には膨大な時間が隠れていて、その過程が透けて見えるような部分に時間や記憶を重ね合わせたくなるような作品です。そういう意味では杉本博司さんの劇場やドライブイン・シアターのような作品と共通している部分があるかもなということを考えながら見ていました。
 
とにかく、MOTを含めてどちらの作品も時間を堆積させた面白い作品のように思えたので、これから他の作品を見るのが楽しみです。