マリーン・マリノ + 谷口真人 「Daughters of the Lonesome Isle(孤島の娘たち)」展 at スプラウト・キュレーション
11/12/10から12/01/28まで
スプラウトのサイトを見るとなにやら難しいことが書いてあるのですが、イマイチ僕にはそこまで読み取れず。とはいえ、谷口さんの作品は好きだし、展示としても女性の多面性的な部分がテーマになっているように思える面白い展示だったんじゃないかなと思いました。写真から見える色々な被写体の面を切り取ったマリーンマリノさんの作品と、表から見ると絵の具の山にしか見えない作品が裏を鏡でのぞくことにより、表が出てくる様な谷口さんの作品の両方からは女性の多面性的な部分が見え隠れする様な印象が。まあ、誤読といえばそうなのかもしれないけど、展示として面白かったー。
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マリーン・マリノ + 谷口真人 「Daughters of the Lonesome Isle(孤島の娘たち)」展
「アートとプロダクトの不穏な関係」展
「アートとプロダクトの不穏な関係」展 at Ai Kowada Gallery
11/11/12から11/12/22まで
出展作家は次の感じ。磯谷博史 大田秀明 木住野彰悟 佐藤好彦 鈴木康広 土屋貴哉 冨井大裕 ホンマタカシ 三田村光土里 森田浩彰(敬称略)
キュレーション:HAKUHODO ART PROJECT
何をまとめた展示なのかタイトルとか見たけど、イマイチ見ててよくわかんなかったんですけど、まあ既製品をつかって作ったアートを集めたのかなぁ?って感じ。
本展覧会 は、そうした現代のアーティスト・クリエイターによる“プロダクト”にまつわる作品を通し、私たちと“プロダクト”の関係性や、 それを使った表現のあり方に新しい示唆を得ることを目的としています。かつて広告が「企業から消費者へのラブレターである」と言われた時代がありました。 メディア環境の変化でその意味が変質するなか、本展覧会は「消費者の一人としてのアーティストから企業、そして社会への回答」だとも言えるでしょう。
ってなってるんだけど、なんかイマイチピンと来ないんだよなぁ。しかしこれを博報堂がキュレーションしてるってところまでを含めて現在の広告という業界がなにか違う方向をみちゃってるっていう意味ならわかるんだけど、うーん。こういうキュレーションの展示ってわかりづらいよなぁ。
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オノ・ヨーコ 「灯 あかり」 at 小山登美夫ギャラリー
オノ・ヨーコ 「灯 あかり」 at 小山登美夫ギャラリー
11/12/10から12/01/28まで
オノ・ヨーコさんが小山さんのところに所属してるのかどうかとかわかりませんけど、小山さんのところでやっていると言うことなので観に行きました。何となく暗闇の中に見えない壁があるんだけど、みんなあかりに向かって歩いて行くような作品でした。ヨコハマトリエンナーレでやっている迷路と似ているんだけど、トリエンナーレの電話を灯と置き換えるのは無理があるので、作品としては全く性質が違うものですね。
小山登美夫ギャラリーでの展覧会「灯 あかり」では、震災を受けた日本に灯をもたらすような、数々の作品を展示します。《灯への道》は、観客が巨大な迷路の中を歩き、暗闇を抜けた先に光を見つける作品。《ミエナイ人タチ》、暗闇の中のほのかな光にうつし出される透明な人型のオブジェ。広島市現代美術館で展示された《ノコリ》、東日本大震災で倒壊した家の部材、家具を再建への願いを込めて並べた作品の再制作。また、同作品の一部に基づいて、今回の「灯 あかり」展のために制作した新作エディション作品《AIR CLOCK》も展示されます。そして6Fのスペースには、作家の祈 りと思いが込められた文字が展示されます。
という感じでまさに今回の震災をうけての真直ぐな作品といえるような気がしました。詳しくどんな作品を作っているかしらないですけど、いかにもオノヨーコさんらしい気がしました。
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佐賀町アーカイブ COLLECTION plus, 2 内藤礼展
佐賀町アーカイブ COLLECTION plus, 2ということで、内藤礼展を3331の佐賀町アーカイブでやっていたので、見てきました。
1991年、佐賀町エキジビット・スペースで行われた個展「地上にひとつの場所を」における、繊細なもので空間を満たしたインスタレーションは、その後の展開につながる代表作となりました。「地上に存在していることは、それ自体、祝福であるのか」というテーマを追求し、近年では、ものと自然との出会いから生まれる出来事をありのままに受容する場をつくり出しています。
今回は、インスタレーション「地上にひとつの場所を」のために描出された当時の珠玉のドローイングを佐賀町コレクションから10点、新作とともに展示します。20年程前に制作された貴重なドローイングと最新作、ここでしか見られない何かとの出会いに、足をお運びいただければ幸いです。
ということだったので、見てきました。昔のドローイングの作品をみたり佐賀町でどのような展示をしていたかを見たのですが、昔から一人づつしか体験できない作品をつくったりしていたのにはビックリしました。しかし、今みたいに空気や雰囲気を作る様な作品よりは存在感のある作品だったなーと思いました。しかし、ドローイングは微妙だなーと思ったりしましたが、そのインスタレーションのための下書き的ドローイングだとわかってから、その思考が見えてるようで面白くも感じました。なかなか面白かったです。
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都築響一「暗夜小路 上野~浅草アンダーグラウンド・クルーズ」
NADiffギャラリーで、都築響一「暗夜小路 上野~浅草アンダーグラウンド・クルーズ」を見てきました。
都築さんの東京右半分を中心にした様な展示があったので見てきました。詳しくはリンク先でも読んでもらったほうがはやいと思うのですが、なかなかディープでした。男の娘文化があんなことになっているとは思わなかったなー。ラブドールもおさわりしてきました。いやー。まじで深いわー。どこまで掘れるかというか掘っていいのか迷いがでるほどのディープさでした。とにかく必見。特に東東京に住んでる人は。
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和菓子を聴く展
大友良英×とらやの「和菓子を聴く展」を観てきました。
大友良英さんが、菓銘、意匠、味わいから連想される情景を、音楽で表現しているという不思議な展示。曲目は、『夜の梅』、『水の宿』、『残月』。という、とらやで売っている3つの和菓子から連想する音楽を作って、それが聞けるようになっているんですが、これがまた和菓子を目の前に聴くと、妙な存在感というか、これの音楽って分かるというような不思議な気分になりまして、なかなか面白かったです。ちゃんと譜面とかもどうしてこういう音楽になったかも書いてあったりして、そういう製作過程もなかなか面白いと感じました。
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アラヴェナ展
アラヴェナ展をギャラリー間に観に行きました。
チリの建築家のアレハンドロ・アラヴェナ氏の展示ですね。
何がプロジェクトのフォルムを決めるのか。
私たちは、単に答えを出すためにではなく、然るべき問いを設定するためにも、十分に時間をかける。その問いを解決することが、プロジェクトの役目なのだから(見当違いな問いに律儀に応えてしまうことほど不毛なことはない)。
プロジェクトの方程式には不可避の項もある。例えば重力や自然がそうである。重力は事実であり、プロジェクトに重さがあることの帰結でもある。かたや自然はさまざまな度合いで作用するので、私たちはプロジェクトの全体像を見失ってはいけない。重力にせよ自然にせよ原始的な力をフォルムに隔世遺伝させ、そうしてフォルムをいくぶん規定していく。これが恣意性を取り除くフィルターの働きをしてくれる。
普通は気づかないかもしれないが、ほかにも建築に作用する力はいろいろある。むしろ先のふたつよりずっと強力なので、これには素直に従いたい。一例が、生活習慣と日常生活の影響力である。野原を最短距離で横断するための近道を探ること、寝室にさわやかな朝日を取り入れ、逆に夜は暗くすること、あるいは何千年も前から進化していない人間の眼にはまぶしすぎる、オフィスのカーテンウォール越しに射す現代的な光を和らげようとカーテンを吊るすこと、すべては生活習慣の力の痕跡なのである。
いずれの力も、建築のフォルムを決める(仮にこれらを無視したとしても、どのみちフォルムは変わる)はずである。本展は、これらの力の作用の記録である。
アレハンドロ・アラヴェナ
このようにどのようにしてそこの考えに至ったのかを紹介する動画が結構合ったイメージですね。しかし、模型とかは結構少なかったかな。まあチリから持ってくるのも大変だしそういうことになるのかもしれませんが。しかし、展示方法としては結構こだわっていて、動画で見せるのもそうですが、それぞれの写真を木にくっつけて中庭においてあったり、空中に浮いているバルーンに括りつけてあったりと、建築を考える時に切り離せない自然とか重力とかそのあたりとの関係を連想させるようなつくりにはなっていた様な気がします。ギャラリー間らしいといえばそうなのかなって思う感じですね。
建築としては結構奇抜なカタチと言われそうなタイプの建築が多かったようにも思えるのですが、それぞれに理由がありそれぞれがなるべくしてこのカタチになったのだということをいいたい様な展示でしたね。展示で座りながら動画をみるときにアラヴェナが作ったvitraのchairlessを渡されたんだけど、これ何度かつかってるけど、体の小さい日本人にはあんまり合わないんだよなーっていうのが非常に印象に残ってます。残念。でも、南米の建築とかサイズ感とかが違うんだろうなーって感じがわかって1回南米の建築みたいなーと思いました。
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伊藤 存「潮の動きとこだわりのない置き物」
伊藤存さんの「潮の動きとこだわりのない置き物」をタカイシイギャラリーで観てきました。
今度の展覧会では、1999年に一度制作した「しりとりおきもの」の続きと、最近始めている鉛筆のドローイングを同時に展示します。
しりとりは最後に「ん」の付く言葉以外を、ずがいこつ>つくし>しこく、という様にしりとっていきます。「しりとりおきもの」とはこうやって、並ぶことになった様々な物(事)を言葉の状態から、おきもの化し、質量のある状態にする作業です。また、おきもの化することで様々な物(事)に平等に空間を共有させる事が出来ます。
鉛筆のドローイングでは、潮の満ち引きの様子を、絵らしく、いらないと思ったものは省きつつ、わりと任意な手の動きで描いてみます。これは、周期的な潮汐に個人の(鉛筆の)時間を落とす作業でもあります。
性格の異なるこの2つが同時にあると場はたいへんへいたんになるし。
伊藤 存
ギャラリーに入った瞬間に鉛筆で書かれたドローイングと謎の置物が空間を余らせながらならんでいて、一体何事かと思いましたが、何らかのルールがあるんじゃないかと思ってそこにあった紙を観てみるとどうやらしりとりで置物が作られているようで。まあ、ただそれだけなんだけど、ある一定のルールというものを与えてそこに出てくるものを記録するという方法なのかなーってドローイングも観つつ思いました。そして、そこから考えると今まで刺繍で行われていたものも、何となくある下絵のようなものを一定のルールのに基づいて刺繍してたのかな?などと想像力を膨らましてみたり。実際はどうかわかりませんが。それにしても、タイトルとピッタリあった展示でした。
things on strings 展
小山登美夫ギャラリーで行われていた、things on strings 展を観てきました。
今回は国内外の7人のアーティストの展示をします。日本、台湾、アメリカ、オーストラリア、デンマークからのアーティスト達です。[things on strings]というのは、糸の上を歩いているような作品たち、というような意味で、何かと何かの境界線の際で制作しているアーティストたちの作品を集めてみました。
ひとつの空間に同時に二つの空間を感じさせる今村遼佑、頭のなかのプランと現実とのギャップのなかを楽しんでいく落合多武、物質や空間のいくつかの側面を意識的に使うクリスティーネ・クリメンスン、フラジャイルな素材による形を永遠の素材に置き換えるリッキー・スワロー、自分の作品を極小にしてコレクションするトム・フリードマン、記憶と現在を行き来するジェニー・ワトソン、部屋から集めたほこりで身近な風景やオブジェを彫刻し、記録する王雅慧(ワン・ヤホイ)。アプローチは様々ですが、何かぎりぎりの際で、出てきたものを作品にしていく様は、とても魅力的だと思います。この機会にぜひ、ご高覧ください。
ということで観て来たんですが、やっぱり個人的にグループ展というのがどうも得意でないというか、どうやってみていいのかわからないんですよねぇ。ギリギリの際という共通点ということらしいのですが、なんかピンとこないというか、やっぱりグループ展という感じでの見方がまだわかってないのかなぁ?それともグループ展はちょっと落ちるのかな?
でも、作品の系統が似た様な人や、同じ様な考えでアートを製作している人を集めているので、好きなアーティストが見つかる可能性も高いのかな?ということで、何となく個々の作品数もすくないなーと思ってしまって不完全燃焼でした・・・。