Archive for the ‘GALLERY’ Category

加藤泉 「Paintings and Sculptures」

加藤泉 「Paintings and Sculptures」をナディッフアパートで観てきました。
 

 
加藤泉さんは細々と売れないアーティストの時代を10年以上も続けていた中、ある日突然ヨーロッパからのオファーが来て一気にトップアーティストに上り詰めた方だそうです。作品は独特の世界観のなかにある胎児のような子どものようなモチーフのペインティングや彫刻というものなんですが、その独特で強烈な世界観は確かにインパクトがあると思います。
 
今までの加藤さんの作品のイメージだと、木彫りの彫刻のような作品か、油絵のような絵画の作品のイメージだったのですが、今回はフィギュアでした。これは、作品集に作品をつけるためにそうしたのか、それ以外の意味があるのかは分かりませんが新たな一手として面白いなぁと感じました。フィギュアの出来という点だけでいえばイマイチ出来は良くなかった気がしますが、ここからどうなっていくのかという余白があってこれからが気になります。
 
 

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藤堂良門 「7000 Basalt」

藤堂良門 「7000 Basalt」を、アートフロントギャラリーで観てきました。
 

 
前にも何処かで観たような気がするんですが、どこだかわすれたなー。って思っていたんですが、調べてみると神奈川県民ホールギャラリーでやっていた「日常/場違い」のようですね。
 
今回は、石や本の間にものすごく純度の高そうなガラスが入れ込まれていて、そこに新たな空間が作り出されているような作品でした。そのほかにも、本を透けるような紙で重ねて表した物や、遠くから観ると単なる石なんだけども、近くで観ると本のような紙で重ねて一つの石のような物になっている作品などですね。ガラスの作品は、前も同じような作品でしたがそのときは柱とかにガラスを挟んだような大きな物もありましたね。

本などはそのタイトルだけに集中されることになり新たな意味がつけ加えられているような感じでした。石も本来年月を重ねてそのようになるものに、あらたな空間が加わる事で、意味や観た目も変わっている面白いものになっていると思います。とにかく歴史や時間などが染み付いた物の一部を透明にすることによってあらたに見えてくる何かを見せているという印象でした。そのほかの立体もそういう歴史や時間を封じ込めたり解放したりしているような印象だったのですが、ドローイングに関してはなんかまだテストというか、作品という感じではないのかな?ちょっとイメージが繋がらなかったです。
 
 

木村了子展「楽園」

木村了子展「楽園」をMIZUMA ACTIONで観てきました。
 

 
なにやら妄想を素晴らしく現実化させているという点でかなりスゴいところまでいってたような気がしました。それがまるで日本画のような雰囲気で大きくあるもんだからかなりのインパクトでした。一体なんの妄想なのかというと美男子の妄想ですね。
 
入ってすぐに巨大な屏風絵が2つあって、片方には筋トレしている美男子が、片方にはまるでジャニーズのような美男子同士がホモソーシャルくらいの勢いで楽しみながら生活しているみたいな絵でした。手法的に日本がなのかどうかなのかはイマイチ詳しくはわかりませんが、漫画、特にちょっとマッチョなタイプのBL漫画にありそうなタッチの絵を屏風に書いてあれほど大きくアピールしてくるともの凄い圧力がありますね。
 
そこに妄想の力というかジャニーズ的な美男子やら筋肉やらへの偏愛のような力を感じました。なんかゲイの人達とかもかなり喜びそうな感じだったなぁ。そこまでの力がみえてくるとかなり面白く感じることもできました。
 
 

五月女哲平「猫と土星」

五月女哲平さんの「猫と土星」を、青山|目黒で観てきました。
 

 
モチーフを平面に置き換えて、色と形のバランスで絵画の画面を構成しているような、平面絵画で絵画とイラストの間のような、絵画には収まらなくてもいいという自由度を感じました。おそらく、それは立体感を意図的に排除したような形や、色の配色のバランスから来ていて、実際にインテリアショップでみるような色合いのようにも感じでられるけども、ファンシーになりすぎないというバランス感があって、美術な文脈以外でも見る機会がありそうな気がしました。
 

五十嵐淳「状態の構築」

五十嵐淳さんの「状態の構築」をギャラリー間に観に行きました。
 

 
五十嵐さんの建築っていうのはあまりよくしらなかったのですが、かなりの数北海道にあるようです。北海道という土地柄なのかどうかはわかりませんが、あまり高層な建築ではなく、四角くしっかりと囲まれた建築が目につきました。その中でも単調に四角く囲っていくのではなく、その四角い空間をどのように組み合わせていけば、あらたな行動がうまれてくるのかを考えているような複雑な形をした建築が多かったように思えます。詳しくはもっとどういう考えで建築をつくっているのか?とか今回の展示に合わせて出た本を読まないとわからないかもしれませんが今後出て来る人なんだろうなという感じがしました。とりあえず写真をたくさん張っておきます。
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

五十嵐淳/状態の構築
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「佐賀町アーカイブ COLLECTION plus, 1 大竹伸朗 展」

「佐賀町アーカイブ COLLECTION plus, 1 大竹伸朗 展」を観にいきました。
 

 
昔、佐賀町エキジビットスペースという有名なスペースがあったんですが、現在はなくなってしまっています。そのスペースでやった膨大な展覧会資料をアーカイブしてそれぞれ発表していくという展覧会のようです。今回は大竹伸朗さんの展示で過去の古い作品がいくつか並んでいました。さらに今回の為に新しい作品もありました。現在の大竹さんの作風とも違うような大きな作品とかあったり、逆に今に通じるような作品もあったのでなかなか大竹さんの昔を知るという意味で面白かったですね。とくに新しいものとかがスゴいとかそういうのもなかったのですが、過去の物とのコントラストはあったような気がします。
 
佐賀町エキジビットスペースというものがあったということだけは知っていて、知った頃にはもうなかったのでかなり今後の展示も楽しみだなというスペースでした。
 
 

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都築響一「HELL」

都築響一さんの「HELL」をムエルテ画廊で観てきました。
 

 
都築響一さんがタイに何カ所もある地獄遊園地?のようなところを取材した写真集のようなものに関連した展示ですね。まあ都築さんがどういう方か知っている人は、すぐに想像がつくかもしれませんが、写真家かつ編集者かつライターというかたで、秘宝館や村おこし施設など悪趣味な珍スポットを取材していたりするので、その流れのなかの作品のように感じました。
 
タイは仏教国なので、地獄というものの考え方が結構あるみたいで、地獄遊園地みたいなものがあるんだなぁって思ったり。世界に埋もれている謎の文化?を露出させていて面白いんだけど、なんかカルチャーショックだったり。あと、ベジタリアンフェスティバルってやばいかなりぶっ飛んでるタイのフェスティバルの写真も写真集には載ってました。とにかく飛んでるよなー。
 
 

 

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Chim↑Pom「REAL TIMES」

Chim↑Pomの「REAL TIMES」をSNACで観てきました。
 

 
何だかんだで、最近話題になっているChim↑Pomの最新の展覧会がSNACで6日間だけやるということだったので、初日に行ってきました。今回の話題はやはりTVのニュースでも取り上げられてしまっている、LEVEL7.feat「明日の神話」ですね。渋谷の明日の神話に今回の福島第一原発事故の絵を追加したというもので、いかにも彼ららしいやり方で話題をさらっています。その絵もあったし、その映像も流れていました。作品自体はコンセプトアートに近い文脈にある気がするので、もうその役目を果たしている感じと思っています。
 
今回の作品の中に前もみた「不撓不屈」のやつもありましたねぇ。これは広島の(あの問題になった)時に、現地の有名な被爆者の方(だったかな?)から話を聴いたりしている時に、なかよくなり、その後今回の原発の事があってからどう思うか聴いてFAXで帰ってきたというもので、下に書かれている人の英知を信じるという言葉が重くのしかかってきますね。
 
そのほかにも、現地でボランティアをしてその現地の仲間たちと気合入れを100連発でやるとかもナカナカ良い映像でした。実際のところどこまでボランティアをしてたのか?とかわかりませんが、とにかく現地で勢いで気合い入れをするというのは、Chim↑Pomのスピード感に通じることもあるし、力もあったように思えました。
 
そのほかにも、今では入れない地域にいつ撤去されるかわからない旗を掲げたり、かかしを立ててきたりなんていう作品もありました。とにかく日本の今という意味では外せない今回あった原発の事故を捉えることがChim↑Pomのリアルタイムということだったんだと思えました。そして、やはりChim↑Pomのスピード感を感じることができました。彼らはやっぱりなんかやろうぜ!って盛り上がって悪ふざけしちゃうくらいの早いスピード感でものをつくりつつ、ギリギリのラインをスケールを変えてやっちゃう所がスゴいと思うのでそれを感じられて面白い展示だったともいます。もちろん悪ふざけのようなギリギリのラインだから嫌いな人もいると思うけど、話題になったもの意外もみたらChim↑Pomは面白いですよ。
 
 

 

 

 

 

 
 

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荒木経惟「写狂老人Aのフィルム・ノスタルジー」

荒木経惟さんの「写狂老人Aのフィルム・ノスタルジー」をタカ・イシイギャラリーで観てきました。
 

写真はフライヤーを撮影したものです。
 
荒木経惟さんの展覧会ですね。「幸福だった時間を思う気持ち(ノスタルジー)こそが人生だと」感じたというような説明があったのですが、確かにそういうノスタルジーな部分を読み解くこともできるのかもしれませんが、どうしても、荒木経惟さんの写真を見慣れていない自分にはまず生々しさの方に目がいってしまいますね。まあそれが作風なのだから、そこから先を見て行かないと面白くないのかもしれません。写真についてはまだまだ勉強不足なので如何せんこんな感想になってしまいました・・・。
 
 

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