Archive for the ‘GALLERY’ Category

廣沢美波 「夢でキスキスキス」

廣沢美波 「夢でキスキスキス」をAi Kowada Galleryで観てきました。
 

 

 
何故展覧会のタイトルが電気グルーヴの引用なのかは不明ですが、「夢でキスキスキス」というタイトルでした。そして作品としては、結構カラフルな原色を多用に利用して、筆ではなくスポンジのような物で叩いて描いたのか?と思わせるようなタッチでメルヘンの国のようなものを描いている作品でした。何となく原色だから明るいのかという感じもしますが、原色とはいえ黒のような重い色が印象的に配置してあって、夜の風景かと思うような重さがありつつ、そのなかに力強く様々なPOPなアイコンが書込まれているという作品でした。POPアイコンの趣味が動物とかでちょっとあわないのとこのカラーリングの強さと、この作風になれなかったのでちょっと得意じゃない感じでした。
 
 

伊藤彩 「穏やかに臭う」

伊藤彩 「穏やかに臭う」を小山登美夫ギャラリーで観てきました。
 

 
なにやら何の脈絡もないように感じる絵の中にギャグなのかなんなのか面白い絵とか、ゆるーい絵とか、何かの図案のような物なんかが気の向くままに配置されているような絵でその中にこれまた適当に作られたような、絵を切り取った物が張り込まれていてコラージュなのか何なのか?一体どこに向かっているんだろうというようなモノだけどもインパクトのある絵が描かれていました。それこそ吉田戦車のようなゆるさをもったキャラクターみたいなものや、動物や人なんかが色々とは位置されているんですが、そこが完全に異世界のようなものそれぞれのキャラのような物の関係もまったくないような、ただそこにあることで面白かったり不思議だったり奇妙だったりという気分を喚起させる絵だったといえばいいのかな?なんか単純にみてて面白かったです。
 
 

工藤麻紀子 展

工藤麻紀子 展を小山登美夫ギャラリーで観てきました。
 

 
草むらの中から少年や少女がこちらを向いているという構図が多かったのかな?なにやらアニメ的な雰囲気を醸し出しているような簡略化された絵の中に、印象的な何かを感じることができるような作品がならんでいました。これが作家さんのいう所の「毎日通っているのに急に光って見える」風景という部分なのかな?と思ったりしますが、とにかく雑然とした中にアニメっぽいながらもそれとは一線を画したような凛とした少年/少女がいるところが妙に印象強く感じられました。色とかなにか全て滲んで古びてしまったかのような色使いだったりもするので、単純に光り輝いた風景というワケではないのですが、その中に輝きを捉えているというのは作品を前にすると納得のいく作品でした。
 
 

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川内倫子 「Illuminance」

川内倫子 「Illuminance」をFOIL GALLERYで観てきました。
 

 
日常の中に潜んでいるIlluminanceな瞬間を上手く切り取った写真がたくさん展示されていました。動画も一つありましたが、30分くらいあるらしいので1/3くらいしか観ませんでしたが、これもある種Illuminanceなモノだったと思います。それよりも写真がよかったですね。結構アニメとかみて輝いてる瞬間を上手く切り抜いているなと思うタイミングがあるのですが、アニメは画面上のすべてをコントロールできるのでそういう画像を作りやすいというのはあると思います。しかし、ここでは写真でその輝ける瞬間というものを切り抜いていたので、想像するだけでも奇跡的な瞬間を捉えていることになるなということがわかります。そしてその瞬間を捉えた美しさというのは確実に存在しているなという、良い展示でした。
 
 

Illuminance
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川内倫子
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Cui Cui
Cui Cui

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川内 倫子
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うたたね
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川内 倫子
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花火
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「αMプロジェクト2011 成層圏 Vol.2 増山士郎」展

「αMプロジェクト2011 成層圏 Vol.2 増山士郎」展をGallery αMで観てきました。
 

 
作品は2つあって、オランダのスキポール空港でセキュリティホールを見つけて、そこを輪ゴムを通してセキュリティを突破するという作品と、北アイルランドとイギリスの境界で生活していてその際に犬の糞が玄関にある。それを境界の紛争となぞらえて爆弾処理を行うという作品の2つ。この2つについて共通している項目は境界線とその越境の方法というところですね。そう考えると輪ゴムの作品のクールな越境の方法が面白く感じれたりしました。それにしても北アイルランドとイギリスの境界の地域の立体模型や写真やらがたくさんあったのですが、そのなにやらイギリスらしいと言って良いのかわからないですが、重い空気感がなかなか緊張状態を表現していて、糞争がまさしく紛争のように捉えられて面白かったです。
 
 

ミカ・ロッテンバーグ 展

ミカ・ロッテンバーグ 展をTake Ninagawaで観てきました。
 

 
身体を利用した複雑な構成の写真とドローイングの展示でした。WEBサイトを観てもらえればわかるかもしれませんが、もの凄い筋肉の持ち主や、もの凄い体重の持ち主、もの凄い身長の持ち主などが、複雑な構図の写真の中に収まっています。それらの空間から特殊な風景が作られています。が、それくらいしかわからなくて・・・。バックボーンがちょっとわかりませんでした。(そして、press releaseが英語だったので読む気力がわかずにスイマセン。)そのほか、身体を思わせる粘土のようなスカルプチャーの写真。何かのパーツを思わせるようなドローイング等がありました。もうちょっと色々みないとどういう作家さんかわからないなぁー。
 
 

Mika Rottenberg
Mika Rottenberg

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Linda Williams Hsuan Hsu
Gregory R Miller & Co

 
 

八木修平「Fast Vehicle」

八木修平 「Fast Vehicle」を児玉画廊で観てきました。
 

 
児玉画廊ではこういうタイプの作品を結構観る気がしますね。カラフルな色の混ざり合い。その中の描画する方法の違い、さらにその色や流れのつながりをカットしたかのような構図の展開の様な感じは連続と断絶で絵に緊張感を与えたりしているようにも思えます。スピード感のあるような流れる色の連なりが重なっていてそれがスピード感ともなっているんだけども、多重に書込まれた感じが移り変わりや変化を思わせてなかなか見所が多かったように思えます。またプレスリリースを読んでみると以下のように書かれています。
 

本展「Fast Vehicle」では、音楽を聴いているときの感動や、運転している時の乗物との心地良い一体感、ゲームにのめり込みすぎて陶然とするような感覚、輪郭がぼやけ灯りが浮かび上がる夜景の非現実感などのイメージがそれぞれの作品に混在しているのだと八木は述べています。

 
どれが音楽でどれが運転というのはわからなかったですが、ここで表そうとしていたイメージの片鱗は確かに絵を観ているだけでもわかったように思えますし、プレスリリースを読んでから、それを観れば音楽や運転などとの共通点も見いだすことができるように思えます。とはいえ、そこまで観なくても単に色や形やその手法を観るだけでもかなり面白いと思います。
 
 

黒川知希 + タティアナ・ドール 展

黒川知希 + タティアナ・ドール 展を、NANZUKA UNDERGROUNDに観にいきました。
 

 
両者ともペインティングというタイプの作品を作っていて、結構大きな物もあったりしました。黒川知希さんは何やらいろいろなところから引用してそれを大胆に配置して構成しているような気がします。実際にある空間とか常識的な配置や絵のつながりというようなものは無視して書かれているような絵でドローイングなんだけども、ところどころしっかりと書込まれていたり、逆に曖昧なまま放置してあるような作品でした。タティアナ・ドールさんはかなりドローイングという感じがとても強いですね。筆にスピード感があるという感じでしょうか、またその筆に力があって迫力があるという感じもしました。テーマとかイマイチわからないけど、その迫力のようなものを感じる作品でした。2つの共通点はドローイングで、なにかジャンクなニュアンスがあるところでしょうか?そのジャンクさがNANZUKA UNDERGROUNDっぽかったです。
 

Tatjana Doll. Drive In
Tatjana Doll. Drive In

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Tatjana Doll
Koenig W.
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Tatjana Doll: Girls (Used To) Wait
Die Gestalten Verlag

 
 
 
 
 

宇治野宗輝「TRANSCRIBED」

宇治野宗輝 「TRANSCRIBED」を山本現代で観てきました。
 

 
ターンテーブルを起点にしてレコードに突起をつけて回転させることで、その突起がターンテーブルの上に仕掛けられたスイッチを押すことで、電気が通電して様々な物を起動させて音を奏でます。例えば掃除機が吸い込む音がハイハットのように聴こえたり、木箱を叩く音がキックのように聴こえたり。その他にもモータをピックアップの近くに近づけることででる等を利用したり、ライトがついたり消えたりなども含めての作品でした。

音楽と工業用製品やスイッチとかそういう機械系を混ぜたものというと、どうしても明和電機を思い浮かべてしまうのですが、それとの違いはもちろんあるんですが、何となく明和電機の方がもう一歩考えを進めてあるような気がしてしまってトータルの物としては明和電機の方がと思ってしまう部分が多かったですね。ただ、明和電機だと通常の製品が一般にも流通するという部分も考えに入ってるので多少違いはでてますし、電機という前提もないので、その分自由なものを作れるという面はありますが、現時点だともう一息と感じてしまいました。ただ、パフォーマンスとかみたら印象が変わったかもしれないし、ペインティングのようなものもあったので、そのあたりとのつながりも含めてどうなってくんだろう?っていう面白さもありますねぇ。