Archive for the ‘GALLERY’ Category

「共同体の捜索、もしくはその逃亡劇」丹羽良徳

丹羽良徳さんの「共同体の捜索、もしくはその逃亡劇」をAI KOWADA GALLERYで観てきました。
 

 

共同体の捜索、もしくはその逃亡劇

可能な限り積極的に仮象を生産しつつ、そのなかに埋没してしまいそうになりながらも
その不可能性の中でしか現実を生き抜くことはできないとうことを掴めればと思っている。
ぼくらはきっと、そんな表裏一体の社会構造の中軸に存在する。
私達が形成する共同体へ向かおうとすれば、するほど逆に遠のいてしまうのも事実だと思
っている。これらの作品群は、一見なんの変哲も無い行為の記録で あるが、よく考えてみ
れば確かに我々の社会構造の一端を抉り取られているようにも思える。その違和感が感じ
取れる限りにおいては 、ぼくはその人間性というものを信じたいとも思っている。

今回の作品は「自分の所有物を街で購入する」(2011)「デモ行進を 逆走する」(2011)を
中心に様々な社会現象や構造の中に軽や かに突入するかの如く挿入された異形の行為が、
私達の見ている社 会の表層にどのような波紋を作り出すことができるのか。現実の中で
状況に応じて、私達が能動的に生き抜くために。

2011年 丹羽良徳

 
文中にもあるように、今回の作品は「自分の所有物を街で購入する」(2011)「デモ行進を 逆走する」(2011)となっていて、一つは自分が街で購入したものと同じものを売っている店でもう一度その手に持っている同じ商品を購入するというもので、誰も気がつかずにそのまま購入できてしまう。もう一つはデモ更新を逆走してあるくというもので、完全に不可解な感じで周りにみられつつも特に何も起きないんだけど、なにか歪みの様なものの間を歩いている見えるような作品が2つでした。どちらも、何か歪んでいるんだけど、結局なにも変わらないし、なにも起きないというものだったように思えます。
 
 

「ヤブ医者/髭の中」泉太郎

泉太郎さんの「ヤブ医者/髭の中」をSPROUT Curationで観てきました。
 

 
となりでやっているhiromiyoshiiでの展示とはうってかわって、こちらはドローイング中心の展示ですね。いわゆる普通のドローイングらしきものもあるんですが、(普通のドローイングかはわからないけど。)映像がついているドローイングもあって、泉さんらしくそのドローイングを書いている過程が映像になっていて、偶然?とか適当に?感性で?みたいな部分で作られたドローイングなんだなと言うことが分かるものでした。あと、立体の影をなぞるように書かれたドローイングとか、いわゆるドローイングとは違った過程が大切というか、過程が見える様なドローイングが並んでいました。ドローイングというとそういう過程とか気にしない軽いものというイメージがあるなかで、そのような作品だったので面白かったです。
 
 

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「勇ましいあくび」泉太郎

泉太郎さんの「勇ましいあくび」をhiromiyoshiiで観てきました。

泉太郎の作品は、様々な分析や思考の過程をこねくりまわし、試行錯誤を繰り返す実験のように作られます。それは観客が見ることで、それらの過程や結果の間を行き来できるような構造を持っています。

今回、泉は 「人間とその周りにあるものの隠された動力やバランスについて」制作と展示の中で考え、実験します。

私達の身体、社会、機械、自然や宇宙まで、世界は見えない部分で常に何かが起こり、変化し続けています。身の回りにある、ありふれた事や物でさえ、実はひとつ均衡が崩れたら成り立たない、ぎりぎりのバランスの上に存在すると言えます。それら目には見えない変化、バランスといったものを見ようとする、隠れていて触れられないものに触れようとする、といった試みの中で、いったい何が生み出されるのでしょうか。

ということで、観て来たのですが、行ってみると重力のバランスがおかしくなった様な傾いた家具がたくさん展示されていて、一体??というなるんですが、良く見ると木で作られた小さいロボット?小人さん?のようなものが家具を持ち上げているという展示でした。それは本当に実態のあるものなのかないものなのか?よくいわれるみえないもののようなものを面白おかしく実体化させたのかなぁ?って作品でした。
 
奥には映像作品がながれていて、これは結構いつもの泉さんの作品というような偶然によって作り上げられた作品とその過程のような映像が流れていました。いつも通りと言えるかもですが、双六ではなかったのでちょっと新鮮だったかな?
 
 

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「Out 
of 
Bounds」展

BTAPで「Out 
of 
Bounds」展を観に行きました。
 

東京画廊+BTAPが2002年よりギャラリーを構える中国・北京は、日本人の私たちにとって「向こう側」と 出合う境界線上にあるかのようなマージナルな都市です。いまだ謎めいた「”さらなる”向こう側」をうかが い知るきっかけとして、私たちは向こう側の美術に興味を抱きました。ちょうどそのころ、「向こう側」と「こ ちら側」を行き来しながら北京に身を置く東アジア学研究者・荒巻正行氏と出会い、彼を紹介者として向こう 側の美術作品を集めた展覧会を企画しようと試みました。この東京画廊+BTAP特別展「Out
of
Bounds」展は、 荒巻氏が「向こう側」からあらゆる方法で入手した絵画作品を展示いたします。

近代文明が成熟した今日でも、世界は境界線を隔てて「向こう側」と「こちら側」に分かれているといえます。境界線の向こう側の国には、国家が抱える画家が約1000人存在しているそうです。彼らは政治プロパガンダを目的とした絵画を描いています。当然、それらの作品は美術品として画廊等で発表されることなく、本来の目的を貫くべく公共的な場所に掲げられています。

本展で展示される絵画は、荒巻氏が以下のテーマを提案した複数の画家との共同作業から生まれたものです。

「ディフェンス・ビューティー」
 
 「ハッピー・ピョンヤン」
 
 「6・9 (ロック) ガールズ」


 この3つのテーマはこの展覧会のコンセプトでもあります。このコンセプトにしたがって3つのシリーズで作品は構成されています。それぞれの絵画には、かつて理想とされた「こちら側」である近代国家の最後の様相を垣間見ることができるかもしれません。このように、作品は、境界(Bound)を越えて言葉では伝えることのできない質の情報をもたらしてくれます。このことは、美術がコミュニケーションの手段であることをあらためて証明してくれました。

 
というような展覧会。なんていうか、昔でいえば中国のイメージだったプロパガンダとか革命とかとセットになって連想される共産っぽい絵が、今では北朝鮮にいかないとあまりないという状況が生まれているようで、そこで3つのテーマについて書いてもらった絵画というようなものでした。いわゆる何か共産主義的表現なのか?そのように美しく書いていて、これはこれでコンセプトさえ上手く立てればアートとして面白く成り立つんだなぁという印象で、なかなか面白かったです。
 
 

榮榮&映里 写真展 – 三生万物

榮榮&映里 写真展 – 三生万物を資生堂ギャラリーに観に行きました。
 

榮榮&映里は、中国人写真家の榮榮と日本人写真家の映里が夫妻で活動しているユニットで、中国の社会的現実とそこでの彼らの生活を写した作品や、人と美しい自然との関係性を、自身の身体を媒体として表現した作品で高い評価を得ており、「In Fujisan(富士山)」「We were here(私たちはここにいる)」「Liulitun(六里屯)」「Three Shadows(三影堂)」「Caochangdi(草場地)」などのシリーズはヨーロッパやアメリカなどでも注目を集めています。

という感じで、今回は北京で暮らしていた四合院造りの街並みが再開発されていく様子を撮影した「Liulitun(六里屯)」シリーズ、その後北京郊外にある草場地に移り住み、三影堂撮影芸術中心を設立するまでの「Three Shadows(三影堂)」シリーズ、そして草場地で、家庭を築き生活を営んでいく様子を写した「Caochangdi(草場地)」シリーズがあって、そんなに点数は多くないものの彼らの歴史の一部をなぞる様な展示になっていた様な気がします。
 
特に草場地のシリーズは子どもが出来るまで、そして出来てからの家族写真の様な毎回同じ家の前と思われる場所での撮影が中国らしくも、日本らしくもあり独特写真になっていたようにも感じられましたし、それが歴史としても意味をもっているような風格さえありました。写真はあまりよくわからないけども、なんか現代の中国っぽいなーっていう印象の写真でした。
 
 

「ジー ジー ジー ジー」 グルーヴィジョンズ展

「ジー ジー ジー ジー」 グルーヴィジョンズ展を見てきました。
 

結構アートやデザインの両面から語られることのあるグルビことグルーヴィジョンズの展覧会が銀座のgggであるとのことだったので、いってきました。最初は結構音楽系のアートワークとかから入って来たイメージでそれがアート的なところと結びついて色々やってるなーというイメージで結構雑誌とかメディア系の露出も多かったように感じていたんですが、最近少し下火なのかな?なんていうイメージでいたのですが、行ってみていやー。いまでも色々やっているんだなーっていう印象に。
 
あまり目立っていないところでは、タバコのキャスターの新デザインとかかなぁ?よくわかるっていうのでは、東京マラソンのポスターとかか。前よりも露出度とか派手さはなくなっているのかもしれないけど、すでに定着して生活に入り込んだという感じなのかもしれないなーという印象でした。完全にデザインの方に振れたんだなーという印象でした。
 
 

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イケヤン☆展2011 in ROPPONGI TOKYO

イケヤン☆展2011 in ROPPONGI TOKYOを六本木ヒルズA/Dギャラリーで観てきました。
 

 
元々料理が好きなので陶器とかには興味があって色々知っていくうちに青木良太さんと桑田卓郎さんにぶつかりました。そこから色々と見て行くと青木良太さんがイケヤンという若手の陶芸作家の集団を率いているという事がわかってそこから発展する何かがあるんじゃないか?と思ってイケヤンはナカナカ注目している存在でした。そんなイケヤンが今回展示を行うということで、ちょうど森美術館を観たあとに見てきました。
 
色々良い作家もいたし、なかなか使い勝手の良さそうな作品を作って日常でつかえるなというタイプの作家さんもいたし、ちょっと飛び道具な感じで若手で面白いと思う様な作品を作っている人もいました。しかし、やっぱり青木良太さんと桑田卓郎さんが個人的には飛び抜けて良い作品をつくっているなという印象が買うならそのあたりかなぁ?なんて想像をしながら観ていました。とりあえず、今回は桑田卓郎さんの作品はちょっと飛び道具すぎかなーという印象もあって、ちょっと前の作品とかの方がPOPに使えたなーっていう感じで個展とかで観たいなーと思ってしまいました。でも、イケヤンからまだまだ飛び出す可能性を結構感じたので、まだまだウオッチしていこうと思います。
 
 

O JUN「恋と森」

O JUN「恋と森」をGallery Kartに観に行きました。
 

 
O JUNさんの作品が河合塾の美大専門の予備校内のギャラリーに展示してあるということで観てきました。O JUNさんの作品はなんとなく人を描いたものが多い印象だったのですが、今回は建物や飛行機といったような人でないものが展示されていたのですが、それがなかなか良かったです。あの冷静なタッチといえば良いのでしょうか?あのタッチで建物や機械を書かれるとなかなか合うなぁと個人的には思いました。スゴく良かったです。
 
ただ、河合塾の展示してあったスペースが良くなかった・・・。何となくあいてるスペースを白くしてギャラリーっていってますよみたいな感じで、実際そんな中途半端な空間にするくらいだったらやる必要ないような気もするし、実際のギャラリーに行けば良いのに、なんであんな中途半端なホワイトキューブ的な空間を用意するのかが全く不明でした。やるならちゃんとやらないと、予備校としての評価も下がる気がするのだが・・・。すくなとも僕の評価は下がったけどなぁ・・・。
 
 

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松尾高弘 「インタラクティブアート展 -LIGHT EMOTION-」

松尾高弘 「インタラクティブアート展 -LIGHT EMOTION-」をポーラ ミュージアム アネックスに観に行きました。
 

 
インタラクティブアートとか結構好きで、文化庁メディア芸術祭とかそういう類いの展示でいくつも観ていると思うのですが、そんなタイトルをつけた展示があったので観に行きました。うーん。なんというか、こういうのは5年くらい前から進化してないのか?って思ってしまう様な感じで、実際はインタラクティブアートではないのかもしれないけども、真鍋大度さんがやってることなんかの方が全然先に進んでしまっていて、ちょっと物足りなかったです。