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古武家賢太郎「ヒロシマカラー」

古武家賢太郎さんの「ヒロシマカラー」をMAHO KUBOTA GALLERYで観て来ました。
 

 
10年のイギリス生活をしたのちに故郷ヒロシマに4ヶ月間戻った際の滞在制作ということなのですが、あまりヒロシマカラーという顕著なヒロシマ推しのようなものは見えず、どちらかというともう完全に軸足はイギリスにあるんだなということを思わせる展示になっていたように思えました。
 

 
絵に描かれている人物やシチュエーションなんかも海外の瞬間を切り取ったように見えるし、ホックニー的な何かが感じ取れるというのは確かにと思うところでした。独特なタッチなのでその独特な雰囲気を出しながらも美術史の中から上手くエッセンスを抽出してるので、美術なんだなと思わせる強度があって面白いです。
 


 

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多田圭佑「forge」

多田圭佑さんの「forge」をMAHO KUBOTA GALLERYで観てきました。
 

 
一見、木の上に書かれたペインティング的なものに見えるのですが、ステイトメントをじっくりと読んでみると、
 

しかしここで目の前に展示された「床板」が木材ではなく、<実はアクリル絵具とメディウムという純粋な絵画素材のみで出来上がっているペインティングだという事実>が伝えられたとしても、鑑賞者の多くは「本当に?」と問い返さずにはいられないことでしょう。

 
とされていて、実際そうなったんですが、ここまで本物と見分けがつかないと意味がないんじゃないかというレベルでしかし、確実にペンティングなのでしょう。
 

 

「捏造」されたスーパーリアルな視覚情報の上にアンフォルメルやアクションペインティング、あるいはグラフィティなどにつながる身体感覚を伴う絵画表現が展開される「trace/wood」のシリーズ。あるいは、古典的な手法で一旦完成させた静物画を凍結し、解凍ののちに再生させる「残欠の絵画」シリーズの手法など、多田圭佑の絵画では異なる幾つかの表現のレイヤーを重ね、対立させ、干渉させることによって、ノイズや時間の歪みを呼び起こす試みがみられます。

 
とあるように、確かに何かが対立しそこに生まれる違和感や、不思議な感じがすべてのものから感じられると思いました。そして、どのような手法でそれが作られたのかがわかったとたんに作品が強烈なインパクトと強度を持ち始めるように思えるのが面白かったです。