「フレンチ・ウィンドウ」展を見たあとに、一緒に併設でやっていたMAMプロジェクト014:田口行弘 《パフォーマティブ・ヒルズ》のためのパフォーマンスを観てきました。
静止画に、なにやら通常とは違う要素を加えて連続させることで完成する動画の作品を作っている田口行弘さんの展示がありました。前にもSNACやαMで観たことがあって、今回は誰なのかしっかりわかりつつ行って面白さが徐々にわかってきた気がします。そして一見ある風景の中にある異世界の連続動画というものが絶妙に現実と非現実の認識の中間にある感じが良いですね。今回はその制作風景や、太鼓と一緒にやった作品、六本木ヒルズでやった作品、広島でやられた作品などがあって、外国での作品が多いとSNACをみて思っていたので、知っている場所で行われているということでより面白く感じれました。特に六本木ヒルズのまさにその場所で行われたものに関してはなかなかその空間との映像との狭間のように感じれる仕組みは面白かったように思えてより一層楽しむことができたと思います。
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MAMプロジェクト014:田口行弘 《パフォーマティブ・ヒルズ》のためのパフォーマンス
田口行弘「Pan! Pan! Pan!」
田口行弘さんの「Pan! Pan! Pan!」をSNACで観てきました。
田口行弘さんというと、僕が見た覚えがあるのはαMの複合回路で観たのを覚えているのですが、この時は影と実態の境界を歩くような作品でした。そのような虚数と実数の間のような間のないところの間をみせるアーティストなのかな?って思っていたんですけど、今回はそれとはまた違うタイプの作品でした。
今回の作品は2つあって、一つはパラパラマンガを写真でつくるというタイプの作品で、これは言ってみれば現実でアニメーションをつくっているという感じでしょうか実際ではあり得ないことが起きるアニメを利用して実際には起きないことを起こすという感じにも捉えられました。もう一つは2人で会話をしているのだけども間に一人言葉を伝達する人がいるという作品。音を空気の振動と捉えるならばその振動役の人間がいるというような作品ですね。
αMで見た作品とかからも感じたことではあるのですが、何となく見えないものに実態を与えようとしているのかな?という印象を受けました。実際はそこに無いものをあるように表現するにはという感じでなかなか面白かったです。
田口行弘展 「複合回路」vol.1
田口行弘展 「複合回路」vol.1をgallery αMで観てきました。
ギャラリー自体が地下にあるのですが、そこを洞窟と考えて作品をつくったらしいです。ギャラリーに入ってく階段とか、その先の踊り場、ギャラリーの空間、そのあたりから何となく洞窟という見立てにも似た考え方はわかりやすくアプローチが出来ている感じでした。そのなかで広げられる空間にある立体とその影。恐らく影が作品のように見えてのだが、そこに実際にある影とプロジェクターで写される影と自分が映し出される影があり、気がつくと自分が作品のなかに入り込んでいることになり、つまり洞窟全体が作品のようにも感じられるようになる。
タイトルが複合回路なんだけども、何となく回路というより装置というように感じるくらいシステムのようなものを感じることができた。そこにある立体作品が作品と捉える事が当たり前と思うのが普通のように思えるけど、影が作品となるとそこに実際にある作品が影のようにも捉えられて、なんとなく、「すべては虚数空間の宇宙のように輝いてるんです(宇宙遊泳の歌詞から。笑)」みたいな。あっちがわ、そっちがわとか言っちゃいたくなる感じでした。面白かったです。