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草間彌生「わが永遠の魂」

草間彌生「わが永遠の魂」を国立新美術館で観てきました。
 

 
草間彌生さんの初期の作品から現在の作品まで見ることができる大規模な展覧会なので、草間さんのことが気になっている方には確実に必見の展覧会なのかなと思います。会場の構成が非常に良くできているので、見飽きることなく観れておもしろかったです。
 
まずはじめに入ってすぐに富士山の大きな絵があって、その部屋を抜けるとものすごく広い部屋に花の彫刻が3点と大量の新作があり空間と作品の数で圧倒されるようになっていました。個人的には新作は好きではないのですけども、あれだけの数で圧倒されると作品一つ一つのクオリティはともかく空間として圧倒されました。(新作の気の抜けたあれはなんなんですかね?もう年だからあんな感じなのかなぁ?中学生が書いたようなゲランとか永沢君とかいましたよ。笑)
 

 
その後、初期の作品からになるのですが、ここからは写真が禁止だったのでちょっと残念したが、やはりNewYork時代の草間さんはすごいですね。Infinity Netみたいなネットの作品とかInfinity Mirror Room的な鏡の部屋の作品とか素晴らしいです。いわゆるカボチャの作品とかも有名ですけども、個人的には無限に繰り返すような作品が草間さんの素晴らしいところだと思います。そして、鏡を使った部屋との相性もいいし、インスタレーションが上手い人なんだなという印象もあるので、もっと無限ループみたいな作品は見たかったです。
 

 
外のカボチャは、まあ写真スポットとして楽しいのでいいのですけども、あのシール貼るやつはなんだったんだろう。まだ白いところ残っていたから良かったけど、最期の方とかどうなるのかな?不安というか、心配になりました。昔ギャルソンのSIXでみた草間さんのブラックライトにシールのインスタレーションがよかっただけになんか微妙な気分に。
 

 
ちなみに余談なのですが、ワシントンのHirshhorn Museum and Sculpture GardenでやってるInfinity Mirrorsみたいな展覧会が見たかったというか。この展覧会巡回しそうですねぇ。LAあたりでみたいなぁ。まあきっと無理だけれども。笑
 


 

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アンドレアス・グルスキー展

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国立新美術館でやっているアンドレアス・グルスキー展を観てきました。森美術館で作品はみていたとはいえ、やはりこうやって個展という形でみると違いますね。かなり面白かったです。現代アートとして写真の作品を作っている作家さんですね。ベッヒャー派といわれる作家ですね。巨大な写真作品なんですが、そこには現実なんだけれども非現実的な世界が展開しているような写真を作っている作家です。
 
今回の展示はグルスキーのキュレーションで、作品は初期から最近のものまでそろっているのですが、時系列にならんでいるわけでもなくて順路も決まっていない部分があります。僕が考えるところ結構それはポイントかな?と思っていて、時系列に並ぶと画像の加工の技術やレベルみたいなものに意識が行くんじゃないかな?という印象がありました。その流れを断ち切るために自由に並べた気がします。画像加工の技術やレベルに意識が行ってしまうのはグルスキーとしては観て欲しい部分ではないと思うのですが、それでもやはりそういう技術とは切り離せない作家であると思うのです。どこまでもピントが合っている写真は大きく観ても細部を観ても面白いのですが、それは細かい加工の賜物かと思います。
 
コンピューター時代の写真だからこその画面の大きさと、エッジの立ち方をしていてこれが大きなポイントだと思います。このエッジやピントという点でいうとポロックの作品を撮ったものがキーの様に思えていて、あの作品だけが全体的にピントが合ってない気がしました。しかし、ピントが合ってないからこそ細部の奥まで意識が入って行けるような作品に見えました。あの、ポロックの作品の均一にピントが合っていない状態は杉本さんのアーキテクチャーの作品にも共通する抽象化する感じがあったり、見ている人間のピントが合わないという点ではリヒターの最近のストライプのものと共通する視覚の感じがあったのですが、グルスキーはそこから全体画面が均一にピントがぴったり合っている作品に向かった気がします。
 
ボケとは違うんですが、そういう抽象的な画面をバンコクのシリーズからも感じました。この作品に関しては大きく画面を見たときの方が何が写っているのかよくわからないというものになっていて、近くに寄ることでその実態がわかるというようなものになっていて、これがグルスキーの一つの作風なんだろうなと思います。人や物や何かが集まっていたりなど、何かの集合している状況を撮ったりする作品でも大きくみることと小さく見る両方を要求されているようになりますが、バンコクのような作品も同様でこれが全てに通じる部分なんだと思いました。
 
もちろん写真なんで動いている被写体を捉えている部分ではブレているんですけど、意図的にここを見てくれというようなボカしとかは無かったように思いました。それでこそあのエッジの立ち方で構成されるグルスキーの画面だと思いました。ポロックの作品以外で、このボケなんという点に注目すると、最後に別もののようにおかれていたV&Rの写真だけピントとボケが使われていたのが印象的でした。あれはファッションの写真だからそうしてあったのか?それとも新たな展開なのか?なかなか楽しみな終わり方をしていました。
 
それにしても、僕はそれほど気にならなかった警報音ですが、気になる人はいるだろうし、何で鳴ってしまったのか?どこで鳴っているのか?わかりにくいのが問題アリかと思います。あとセンサーに触れないように、作品名も読みにくいし・・・。でも、それ以上に気になったのがガラスの映り込みで、もうちょっと映り込まない反射の少ないものを使って欲しかった。映り込みが気になって色んな角度からみるっていうのも作品に入り込みにくかったし、見たい時に細部や全体が見えなかったり・・・。そうやっていろいろな所から見てもらうのが狙いとか、そういうのでデジタルな加工部分がわかりにくくなるんだとかだったらわかるんだけど。違う気がするし。映り込み少ないガラスがよかった。そういう意味では小さい作品は映り込みがなくて良いなーと思うのものが多かったです。
 
とにかくスゴく面白かったので、オススメです。こんなにまとまってみれるのは次はいつかわからないし。大きな写真っていうのもいいもんですよ。松江泰治さんとかと見たい気もしましたが、松江さんはあんなに大きくないしなー。
 
 

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アーティスト・ファイル2011

国立新美術館でアーティストファイル2011を観て来ました。
 

 
面白かったですねー。さすが注目の作家という感じでした。
 
クリスティン・ベイカーの特殊な素材を使ってのペインディングで何かのモチーフが見える感じが良かったなぁF1のやつとかかなりスピード感や迫力が出てました。何のモチーフかわかるかわからないかのギリギリのラインのような状態なんですけども、それを強引に絵画としてまとめている感じが面白かったです。
 
松江泰治さんの大きい写真の様なまるで静止画みたいな動画とか写真からミニマムな事件を切り取って大きくしてる物とかかなり好きです。坂本龍一か、HASYMOかなんかのジャケットに使われてたりしたよなぁ。それも面白いんですけどね。静止画みたいな動画も面白いです。解像度の高さがああいうものを作ることを可能にしたんだろうな。
 
鬼頭健吾さんは元から好きですけど、今回もかなり良かったなースカーフの海のようなものはとにかく見るとスゴいです。写真とかで見ると大したことないかなぁーって思う人もいるかもしれないし、鬼頭さんの今までの作品を観ていない人は通り過ぎてしまう可能性もあるかなーとは思うんですが、僕としてはもの凄く面白かったです。これだけ広い空間を埋めるスカーフの海は一見の価値アリです。
 
そんな感じで、普段見る物で作っている作品とか結構好きなのですが、そういう意味では、タラ・ドノヴァンもかなり良かったんですが、ストローは何となく吉岡徳仁さんをイメージしてしまってちょっとさめたなぁ(タラ・ドノヴァンの方が吉岡さんよりも先に作品を発表しているそうです。僕は吉岡さんの物を先に見てしまっただけでした。)。悪くないんですが、イマイチ頭の中をよぎってしまってテンションがあがりきらないかった感じはありました。
  
 

Kristin Baker: Surge and Shadow
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