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伊藤 存「潮の動きとこだわりのない置き物」

伊藤存さんの「潮の動きとこだわりのない置き物」をタカイシイギャラリーで観てきました。
 

 

今度の展覧会では、1999年に一度制作した「しりとりおきもの」の続きと、最近始めている鉛筆のドローイングを同時に展示します。
 しりとりは最後に「ん」の付く言葉以外を、ずがいこつ>つくし>しこく、という様にしりとっていきます。「しりとりおきもの」とはこうやって、並ぶことになった様々な物(事)を言葉の状態から、おきもの化し、質量のある状態にする作業です。また、おきもの化することで様々な物(事)に平等に空間を共有させる事が出来ます。
 鉛筆のドローイングでは、潮の満ち引きの様子を、絵らしく、いらないと思ったものは省きつつ、わりと任意な手の動きで描いてみます。これは、周期的な潮汐に個人の(鉛筆の)時間を落とす作業でもあります。
 性格の異なるこの2つが同時にあると場はたいへんへいたんになるし。
伊藤 存

 
ギャラリーに入った瞬間に鉛筆で書かれたドローイングと謎の置物が空間を余らせながらならんでいて、一体何事かと思いましたが、何らかのルールがあるんじゃないかと思ってそこにあった紙を観てみるとどうやらしりとりで置物が作られているようで。まあ、ただそれだけなんだけど、ある一定のルールというものを与えてそこに出てくるものを記録するという方法なのかなーってドローイングも観つつ思いました。そして、そこから考えると今まで刺繍で行われていたものも、何となくある下絵のようなものを一定のルールのに基づいて刺繍してたのかな?などと想像力を膨らましてみたり。実際はどうかわかりませんが。それにしても、タイトルとピッタリあった展示でした。
 

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伊藤 存
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Stitch by Stitch

「Stitch by Stitch 針と糸で書くわたし」を観に東京都庭園美術館へ。個人的には手塚愛子さんが出るってことだったんで注目。でも、アートシーンとかでこの展示の情報を流してた時に出てた、奥村綱雄さんの作品もかなり注目。あと、MOTで金氏さんとやってた伊藤存さんとかもでるし、案外刺繍って層が厚いジャンルなのか???
 
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手塚さんの作品はやっぱり圧巻というか、でかいだけでも存在感があるんだけど、その裏に隠れてる糸たちがやはりなんというかスゴい。糸の束や色が一つの流れのようになっていてその存在感が刺繍されているものよりもあったりする。表と裏どちらが重要か分からなくなる感じ。奥村さんの作品はホントに細かい。それを作ったシチュエーションとその作品が置いてある事で説得力が増すというか。とにかく細かいところや変色してしまっているところに時間の堆積を感じるし、そこが警備というアルバイトと結びつくところもある。秋山さやかさんの作品もしばしば観るが、何となく今回はレシートとか貼付けてないし、キレイにまとまってて面白みに欠ける。汚いものやあり得ないものがついてこその美みたいなところもあるかなーって思ってたので。伊藤さんは分かりそうで分からない。抽象的すぎるという所が狙いなんだろうけど。もはやよくわからないところまで行ってるので微妙な気分。まあ、そんなこんなだったけど、全体的には面白かった。
 
 

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