Archive for 2017年6月

リー・キット「Not untitled」

リー・キットさんの「Not untitled」をシューゴアーツで観てきました。


 
Not untitledというタイトルを観ただけでも、一筋縄ではいかない展覧会なのだなとわかる。
そして内容もその通り一筋縄でいかなくてどう読み解けばいいのかわからない。しかし、タイトルから感じるのは自由に解釈して良いということの気がする。
 

 
写真にはなかなか写しにくい(下手なので)展覧会なのだが、壁に投影された映像の一部が絵画であったり、アクリルの塊を介して投影されていたり、ギャラリーの壁を多くして、光や人間の動作までもある程度計算したようなつくりで、全貌を把握するのが難しく、それによって考えさせられるようなつくりでもありました。
 


 

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菅 木志雄「分けられた指空性」

菅 木志雄さんの「分けられた指空性」を小山登美夫ギャラリーで観てきました。
 

 

菅木志雄は、1960年代終わりから70年代にかけて起こった芸術運動「もの派」のメンバーであり、同時代を生きる、戦後日本美術を代表するアーティストの一人といえます。「もの派」以降も東洋的思想に共鳴した独自の哲学に基づき、素材や物質、空間に対して様々なアプローチをしかけ、「もの」の持つ存在の深淵を顕在化させてきました。「もの派」への評価が国際的に改めてクローズアップされている昨今においても、菅は更にその思考を深化させ、追求し、その表現をし続けています。

 
という紹介が書かれている菅さんですが、その「もの」を出会わせているような感じの作品がなんとも言えないバランスでカッコよくというか、美しくというか、美術的に収まっているという素晴らしさがあります。なんといっていいかわからないのですが、これがもの派の「もの」に対するというスタンスなのかなと思わされます。
 

 
額のように見えるようなフレームやキャンパスのあるように思える作品がいくつかあり、その中または外に飛び出す形で、絵画のようなバランスをもっているものなどもあり、単に空間とのバランスで作品となっているものだけではなくそれとして作品になっているものなどもありおもしろかったです。
 

 


 

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マリア・タニグチ

マリア・タニグチさんの個展をタカイシイギャラリーで観てきました。
 

 
かなりコンセプチャルで内容をつかむのが難しく、よくわからなかったというのが正直なところです。作品は、単純なレンガのようなペインティングと円や線のような立体が空間を作っていました。
 

 
レンガのようなペインティングの方がマリアタニグチさんがいつも作っている作品のようで、緻密に描かれていて巨大なものもあったり。また、空間にあわせたかのような立体によって緊張感ある空間になっていました。
 


 

大庭大介 個展

スカイザバスハウスで大庭大介さんの個展を観て来ました。
 

 
今まで偏光パールの絵の具を使って見る角度によって色が変わるような作品を作っていた大庭さんが、ホログラム系の顔料を使うことによって新たなタイプの作品を作ってきたという印象でした。今までは、光り方も含めて優しい感じの作品の印象があったのですが、今回は金属のような力強さを感じました。
 

 
今までは、これほどエッジの立った筆の動きがわかるような力強さはなかったので、新たな作品の方向性にいろいろな表情が加わり作品の幅が一気にものすごく広がったような気がします。
 

 
今回はさらに色のないような作品もあったりして、これからどんなものを作っていくのか楽しみになる個展でした。