Archive for 2017年2月
ミニマリズムの巨匠ダン・フレイヴィンの展覧会をEspace Louis Vuitton で観てきました。
とにかく蛍光灯を使った作品を作っているアーティストで、光を作品としているのだけれども、光が何かを表現しとかではなく、ただただ蛍光灯の光と色というものに焦点をあてた作品を作っています。
フレイヴィンの作品は、素材である「光」を宗教的、あるいは神秘的に解釈することを一切退けます。光は単に、それ自体の存在を表すものとしてのみ用いられているのです。つまりそれは、本質的に「状況的(situational)」なものであり、作品に占有された物理的空間、そして鑑賞者とその空間に生まれる相互作用に焦点が当てられているのです。
とあるように、そのストイックなまでに無機質な感じは飾り気がなく、ミニマリズムの極地であり宗教/神秘的な解釈を必要とせずそこにあるそのままを作品として鑑賞することができ、とにかく素晴らしいです。白い蛍光灯だけでなく、その他のカラフルな色の作品なんかもあります。それもまた美しく素晴らしいです。なんどでもみられるし、ずっと観ていたい気にもなるオススメの展覧会です。
JUDDに捧げた作品のようなものもあるわけだろうけども、JUDDの寝室にDAN FLAVINの巨大な作品が並んでいたことを思い出しました。
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「PLOT 設計のプロセス」展をGA galleryで観てきました。 PLOT展というとやはり模型が多いのかなーという印象がありましたが、今回藤本壮介さんは、模型ではなく図面がたくさんだったので、それほど山ほどという印象ではなかったかな。
藤本壮介さんは今回文化施設だったけど、大規模商業施設的な発想で考えていたビデオが面白かった。あまり藤本さんの巨大施設というイメージがなかったけど、これはできたらどうなるか観に行ってみたいところ。その他に気になったのは、やはりSANAAの外見は一見フランクゲーリーを思わせるような建築で。でも、やはり内部空間的にはSANAAだなという建築もなかなか面白かったです。
その他にも、石上純也さんがまたなにやら変なものを作ってるなーとか、伊東さんは新国立競技場整備事業公募型プロポーザル応募案かーそっかー。うーむ。それにしてもあの新国立の伊東さんの柱はこういう風な計画だったのねとか、隈さんが新品川駅か。いつも通りだけど、それにしても隈さんは建築多すぎないか?とか、まあそんなところ長坂常さんが出てたところはちょっとだけ驚きでした。やっぱり模型が多くて建築家の考えを観つつみれるというのはなかなか面白いですね。GA JAPAN 144と一緒によむとより面白いですよ。
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カール・ラガーフェルド写真展「太陽の宮殿 ヴェルサイユの光と影」 を観てきました。
ヴェルサイユ宮殿をカール・ラガーフェルドが撮影した作品群で、この作品自体もヴェルサイユ宮殿で展覧会を行われたということのようなのですが、この写真がいわゆるヴェルサイユ宮殿というような色気を感じない写真で、ヴェルサイユ宮殿に行ったことがあるような人や、調べたことがあるような人からみると、こんなヴェルサイユもあるのかという意外性のある写真で面白かったです。
作品のプリントが和紙のような上にシルクスクリーンされたような作品で黒と銀のみで印刷されていたりと全体的に金色のイメージのあるヴェルサイユとは違ったクールな目線を感じました。作品のみでなく展示もカールラガーフェルドがやったようで、迷路のように作られた展示も良い展示でした。
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Kaikai Kiki Galleryでobさんの「あわいにゆれる光たち」 が行われています。
まずギャラリーに入って目に入ってきたのは、大きな小屋を使ったライブペインティングのインスタレーションで、こういう大きなインスタレーションをやる作家さんだとは思っていなかったので驚きました。WEBに書いてあるものを引用すると
青森県立美術館の「美少女の美術史」展で、1か月間青森に滞在して現地制作した小屋の作品は、新しい物語をまとい、少女の神聖さと芸術の生まれる場所を重ね合わせたインスタレーションとして登場します。
とあり、青森での滞在制作で作られた小屋の作品のバージョンアップのようで、さすがのレベルの高さでした。
また、今回は風景画をメインとした個展で、もちろんそれぞれにobさんらしい少女が書いてあるわけですが、その人物と風景の隙間に物語があるような人と風景が独特な距離感を保った作品でした。ぶっちゃけ展覧会のステートメント部分にある作家からのメッセージが今回の展覧会のコンセプトそのものだなという感じですね。
大きな作品から小さな作品までいろいろあったけど、Hidari Zingaroでやっていた個展のときよりももちろんどれも大きくてなかなかのお値段してそうでした。
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村上隆/青島千穂/タカノ綾/Mr./坂知夏/佐藤玲/ob(オビ)/森次慶子/BOME(ボーメ)/Mark Grotjahn(マーク・グロッチャン)/ /Friedrich Kunath(フリードリッヒ・クナフ)/ Matthew Monahan(マシュー・モナハン)/林明雪 有限会社カイカイキキ
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今年も恵比寿映像祭が始まりました。目玉と言っていいのかわからないのですが、個人的に目玉なのは好きなアーティストである金氏徹平さんのオフサイト展示WhiteDischarge(公園)が展示されているということ。
VIDEO
ちょっとみてたら動いたので、慌てて撮った動画なので色々微妙ですが。笑
とにかく良かったですね。WhiteDischargeシリーズを大きくすることができるんだなっていう驚きもありましたし、本当にそのまま大きくなったようなものがつなぎ合わされていて、中に入りたくなりました。実際入ろうとして止められていた子供がたくさんいました。気持ちわかるなーと思ったり。笑。あと、これ以外にも一応動画作品が展示されていました。それもよかった。
金氏さんの他にも森村泰昌さん、笹本晃さん、豊島康子さん等々、いろいろ面白かった人はいたんですが、写真は基本NGだったのでありませんが、映像祭だよな?って思ってしまうような作品が多かったです。ただ、テーマの「マルチプルな未来」という意味ではそれに沿った展示ではあったと思います。
個人的に映像祭とはいえ、映像ばかりだと精神的にちょっと疲れてしまうので、これくらいのバランスでやってもらえるといいなぁと思いました。
森村さんはウォーホールに捧げた作品と、紙幣の作品。一応ウォーホールの方に動画はつかっていたものの、映像作品ではないですね。やってることはいつも通りなんだけど、やっぱ展示含めてうまいんだよなぁという印象。
笹本晃さんは、マルチプルといっても作品の構造がマルチプルというか、作品の中でパフォーマンスをすることで、作品がパフォーマンスであり、作品がパフォーマンス後の残ったものでありというような、マルチプルに意味を持つ作品(ってなんか言葉が変かな?)で面白かったです。
ちなみに唯一といっていい、写真を撮ってくださいという豊島さんの作品で撮った写真はこちら。
赤と緑で点滅している空間でまるで正しい色がわからないのだが、入り口の指示でフラッシュ撮影をしてみてくださいということでしてみると、色が浮き上がってくるようなそんな作品でした。
iPhoneだとフラッシュが弱いので、ある程度接写しないと意味がないという感じで。フラッシュが付いているカメラを持っていくのがオススメです。
基本写真は撮れなかったから、金氏さんのWhiteDischarge(公園)の写真をたくさん載せておきます。
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HARMAS GALLERY で「たちばなひろし 清水信幸」の2人展が行われています。
たちばなひろしの作品は、一見すると儚げで流動的な印象の抽象画に見えますが、
画面に置かれた筆跡は、それぞれ特定のモチーフをトレースしたのちに
剥離され、キャンバス上に貼り付けられています。
選択されるモチーフは作家自身に関わる日常的な風景や身近なイメージであり、
それらをその場の記憶や雰囲気などのうつろう感覚を織り交ぜトレースしていきます。
清水信幸は、空間に自身の筆跡が絵の具の質量を
伴って浮かんでいるような作品を制作しています。
作家自身が幼少の頃に河原の石を積んで遊んだ記憶をもとにした、
石ころのように立体的な絵画の制作をスタートに、現在は自身のドローイングを
忠実になぞらえた支持体をつくり、その上にアクリル絵の具を塗りつけていくという
制作方法をとっています。
やはり最初にみると清水さんの作品が気になってしまう。絵画の枠に入るんだとは思うんだけど、立体とも捉えられる。だけども、やっぱり認識としては絵画だなーという気がする。筆跡のような作品の形自体が絵画を想像させるのかなという感じ。とはいえ、その立体的な作りも魅力的で良さがあり、その立体と絵画の曖昧な感じが好きな感じ。
たちばなさんの作品は説明されるまで、よくわからなかったんだけども、それぞれが何かをトレースしているということがわかるとグッとそれを読み取りたいという気持ちになって面白みが出てくる感じ。大きなやつは、文房具屋にある試し書きの紙をトレースしてるみたいなことを聞いていろいろなところの線がそれぞれ気になってしまった。笑
MOTサテライト もやっているし、Satoko Oe Contemporary もやってるから、合わせ技で周るのが結構オススメです。
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MOTが大規模改修により閉館中なので、清澄白河のアート度がかなり下がっているというか、もはやアートの街であったのも過去の話でコーヒーとかカフェの街になっちゃったんじゃないの?っていう雰囲気すら出ている気がして、アート好きで清澄周辺に住んでる身としては残念だなと思っていたところでしたが、今回はそのMOTが街に飛び出して、「MOTサテライト 2017春 往来往来 」というイベントを開催して、久々にアートが充実した気がしました。
基本的には、深川資料館通りを起点に一周するような形で様々な場所 に点在する作品を見ていくというような感じで、今だと所謂地域アートというようなフォーマットの中に収まるような捉え方もできるようなイベントでした。
作家はさすがMOTというようなメンツで豪華な作家陣。個人的には毛利悠子さんや、松江泰治さんはオススメです。毛利さんはさすがというような電気というか物理法則というか、そういうものを利用したダイナミックだけど繊細なアウトプットのある作品(写真)。松江泰治さんはいつもの松江さんの写真なんだけども、MOTやクローバー橋の作品を作っていたりとさすがMOTというか、なんというか。笑。どうしても地域アート的な方向にいくのか、それとも現代美術館が街に分散したという風に捉えるか、そういうなんというか、邪念がちらつくワケですけども。どちらにせよ無料でこれだけの作品があるので、行って損はないレベル。
もちろん、作品を見ながらいろいろな清澄白河のスポット的なところもまわれるわけで、アライズコーヒーでコーヒーを飲んだり(ブルーボトルでもいいんだけども)、チーズのこえでチーズとかアイスを買ったり、アーティチョークチョコレートでチョコを食べたり(バレンタインまでは混んでるだろうけども)、そういうことしながら周るのはなかなか面白かったです。
それにしても、これくらい街にアートが点在してれば面白いんだけどなぁ。どうしてもこういうイベントが清澄界隈であると丸八倉庫のことを思い出してしまう。現代美術館があるのだから、その近くにギャラリーがたくさんあるといいんだけどね。現代美術館的な役割を森美術館に奪われてしまっている気がするから、MOTも休館だけどいろいろイベントやってくれると嬉しいという意味でも今回はいいイベントだったなと思いました。Satoko Oe Contemporary とかHARMAS GALLERYとかANDO GALLERYとか無人島ギャラリーとか合わせて行くのをかなりオススメ。
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Satoko Oe Contemporary で角田純+大原大次郎+金氏徹平「川」が行われています。
Satoko Oe Contemporaryを会場に、torch pressとdittoとの業種を超えた恊働作業による、3人の作家とのコラボレーション展を開催します。本企画から生まれたdittoのスカーフ、torch pressの印刷物などを用い、ギャラリー空間を立体的に使って展示を行います。本企画から生まれたdittoのスカーフは、期間限定受注販売致します。
とあるように、3人それぞれが選んだ作家さんの作品の展示とスカーフの販売をやっていました。このスカーフのクオリティーがかなり高くてそのまま額に入れたら作品になりそうだなと思うレベル。1m x 1m のかなり大きなスカーフで、例えば金氏さんの作品がその大きさのもの買ったら、まあかなり高価ですけども、スカーフならかなり手の出る感じ。さらに言えば、ポスターとかだってもっと高いだろうなというレベル。かなり買いなワケですけども。男性だと大きなスカーフの使い所って難しいんだよな。本当に額に入れたいかも。笑。
と、そんな話は置いておいて、金氏さん以外の作家さんは余り詳しくしらないのですが、大原大次郎さんは「MOTサテライト 2017春 往来往来 」でも作品がたくさんありました。全作家さんが文字をテーマに作品を作っているような作品で金氏さんも新しいタイプの作品を展示してその手法で作られたものがスカーフとして作品になっていました。展覧会中に川Barなるイベントがあったりするようなのでそれも面白そう。MOTサテライト 2017春 往来往来 とかアルマスギャラリーとかとの合わせ技に良い会期ですね。
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Tags:Satoko Oe Contemporary , 大原大次郎 , 角田純 , 金氏徹平 EXHIBITION , GALLERY | 2 Comments »
天明屋尚さんの「形質転換」展 をミヅマアートギャラリーで観てきました。
天明屋さんのイメージはもうちょっとヤンキー感というか、ヤクザ感ある感じなのだが、今回はアニメ・漫画的なメカニカルな作品があったりして観やすくて好きな感じだった。
形質転換とは生物学の用語で、外部から与えたDNAを遺伝情報として組み込み、個体の表現型を変化させることを指します。その物質の組成や由来を踏まえて変化させる点で、無方向的な突然変異とは異なります。これはまさに、日本美術のコンセプトや組成を踏襲した上で、偶発的ではなく、確信犯的な改変を仕掛けてきた天明屋の作風を象徴しています。
ステイトメントに、上のようなことが書かれているところからも意図的なトランスフォームだったんだろうなと思えるし、なんとなくロボット感ある鎧の描かれ方や、ダフトパンク的な鎧や、ADIDASのSUPERSTARを端午の節句の兜のように変化させたものや飛び出す屏風のような作品など、どれも流石にカッコよく上手いし良かった。
ただ一つ、SNOWで変化させた写真みたいな。写真の作品だけよくわからなかった…。アレは一体何だったんだろうトリプティック的で今を取り入れてて現代アートではあるとは思ったんだけど、トランスフォームしすぎててよく分からないというか、置いて行かれた気分だった。笑
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