Archive for 2009年9月

女性アーティストと、その時代

出かけたついでだったので、銀座を歩いていたんだけど、いつも良く行くところで資生堂ギャラリーに。やっていたのは、「女性アーティストと、その時代」でした。
 
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資生堂ギャラリーであつかった、歴代女性アーティストの作品を展示するという展示。といっても、資生堂だから、もともと女性アーティストの展示が多いような気もするんだけど、今回は女性アーティストに限っていた。
 
ただ、やっぱりどうしても合同展みたいなものはまだ慣れなくて、一つの作品でその作家の色々な部分までが理解出来る訳でもないので、それぞれの作家の良さがわかりにくい気分。
 
ピピロッティ・リストの作品が少しいいかなーって思ったけど、それくらいだったかな。それよりも資生堂ギャラリーの年表とかどういう風に雑誌に取り扱われているかとかその辺の方が面白かったかも。年表と合わせて本や雑誌が置いてあったりしたので、じっくり観るのも面白いかも。こんかいは時間がなくてぱらぱら見たくらいかなー。
 
 

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都市的知覚

東京ワンダーサイト本郷でやっていた、都市的知覚を見てきた。本郷の東京ワンダーサイトはいつも行こうかなーどうしようかなーくらいなんだけど、今回のフライヤーをみたら、湾仔の地下鉄が取り上げられててどんな作品か気になったので、行く事にした。
 
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目的としていた、世界各国の地下鉄を見せる作品は何となく盛り上がらない。イマイチな感じ。フィールドレコーディングしたような音をちょっと3次元っぽく聞かせるインスタレーションはナカナカ。その空間とリンクした音があるとリアルに感じられる気がした。そのほかだと、昨日と明日をナレーションしてその間の今日を映像で埋めるという作品は目新しい感じはしなかったんだけど、面白かった。今を語らない事が新鮮だったのかな?勝手にお天気カメラに写るように風船を飛ばしたり、ひまわりのタネを勝手に埋めたりする成功!って感じではなかったので、もう一息かなっておもったけど、アイデアとしておもしろいなーっていう感じはあった。
 
全体的にレベルは結構高いのかなーなんておもった。あんまり有名じゃないのかもしれないんだけど、レベルが高いのをどうやって見つけて来てるのかな?前にやってたのでも面白いのとかあったし、トーキョーワンダーサイト本郷には、もうちょっと来るようになっても良いかも。
 
 

GOOD DESIGN EXPO 09

毎年名前が変わってる気がするんだけど。一時期GDPとか言ってた事もあったと思うし、それ以外にも名前がある気がする。その名前が定まらない事自体、デザイン出来てないのかななんて思ったりするけど。そんなGOOD DESIGN EXPO 09に行ってきました。
 
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入り口はこんな感じでナカナカ賑わってるなぁ。毎年毎年展示とかは見やすくなってると思う。一応ほんの少しずつだけど。だけど、何となくイマイチ良い作品とか減ってるのかな?って思ったりもしたり。これは自分に依存する部分が大きいのかもしれないけど。出展数とか減ってるのかな?あと、どう考えてもwebとかコンピューターのsoftとかについてはあまり触れられてなくて、現実との乖離を感じたりもするけど。ただ、デザインの祭りとしては良いと思う。
 
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今回もこんなに広い空間でグッドデザインになりたい物たちが集まってた訳だけど、気になったのて、スタイロフォンとマイク付きピアニカとかかなぁ。楽器系だけになってしまった。そのほか、そんなになかったです。携帯とかPCとかは確実に進化が止まってると思うし。
 
そもそもグッドデザインって言葉には日本デザインコミッティーが大きく関わってるはずなんだけどなーって思ってたんだけど、そのデザインコミッティーのあたりのことは全く感じさせない。デザインコミッティーには名だたる重鎮たちが名前を連ねているし、重い歴史もあるから、そのあたりとは分離出来てるのは良いかもしれないけど、やはり柳宗理さんとかの物にGマークがついていると感慨深いし。微妙な線だな。
 
ただ、このグッドデザイン賞ってのは国が始めた事みたいだから、そのあたりで、仕切り直しがされているのかもしれない。なにか隠された歴史とかありそうだなぁ。兎に角、このGDEXではなんとなく微妙な理念がしっかりしてないのか、基本がぶれているというか、そういう危うさを毎回感じてしまう。そんなこんなだけど、まあ楽しめました。
 
 
あ、あと、微妙ついでだけど、オープニングにd.v.dとかその他の人達を絡めたライブとかをやってたんだけど、お互いにお互いの良さ殺し合うような演出がされていて残念だった。d.v.dだけとかそれぞれ単体でやった方が良かったに違いない。一緒にやらせた時点で失敗。あれを演出した人はホントに反省した方が良いと思うぐらいの悪いできだった。その辺でデザインを語るイベントとしてどうなんだってより強く感じたけど。
 
 

「骨」展

六本木に行ったのでついでに21_21 DESIGN SIGHT「骨」展を観に行った。21_21 DESIGN SIGHTはデザイナーとかがキュレーションをしているために、告知とかのデザインをみていると面白そうだなと思って観に行ってしまうのだが、結局キュレーションにはなれていないので、イマイチだったなぁ、なんて感想になる時が多い。今回もあまり期待せずに行ってきた。
 
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骨は人間で考えるとわかりやすかもしれないが、基本ベースとなっている部分と考えられる。その骨格つまりベースを露呈させることによって、色々なモノなどの露呈していなかった基礎となる部分を理解することが可能にするという展示だった。一番最初にでてくるのが車の骨と解説があった車のボディのパーツであってそれが、骨展の象徴として一番最初に出てくるので理解しやすくなっていたと思う。
 
実際に見た事の無い動物の骨が力強く一般的な視点とは別で展示されていたり、いろいろなモノをX線や分解することで骨を露呈させているという展示もあった。そして、その次にその骨を新たな方法で解釈し作り直したらどうなるだろうかという展示などもあった。確かにただ分解してそれを展示しているだけではあまり面白くないし、かといって骨を再構築していることが理解出来ないような展示でもあまり面白みを感じないと思う。そういう点で今回の展示の2部構成になっていたのはスゴく導入として分かりやすく理解しやすくなっていたと思う。その上で、実験的に分解/再解釈/再構築されているものを観るとなかなかそれぞれが面白かった。もう一つビックリするような新しい再構築が無かったなーって思う所もあったが、それが現状なんだろうと思うこともできたし、なかなか良い展示だったと思う。
 
そういうことで、今回は21_21の今までの展示のなかでもかなりレベルの高い面白いものになっていたと思う。これからある展示もこれくらいの分かりやすさがあると良いと思う。まさにそれもデザインだと思うし。今回は、山中さんがそれをスゴく上手くやったんだと思う。ただ、oxoはそんなにデザイン好きじゃないんだよなぁ。苦笑
 
 

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カンポ・バエザの建築

六本木のギャラリー間カンポ・バエザの建築を観に行った。ギャラリー間には良く行くのだが、少し前に観に行った安藤忠雄展でギャラリー間の中に作られていた住吉の長屋は実際に当時建てた金額と同じ位のお金がかかったそうだ。そんな事を光の教会で聞いた。それから、気合いの入った展示があるかもなと気になってしまっている。まあ、どうでもいい話。
 
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カンポバエザはまるでギャラリーか?ホワイトキューブか?というような白い建築を作っている印象だった。実際その通り白い建築物が多かったのだが、それいがいにも光や空間の切り取り方などに神経を使っているという事が分かりやすく展示されていた。最初にギャラリーかホワイトキューブかと感じたのはそのあたりが作用しているようだった。つまり、単なる白い箱形の建物だけでは、その他の用途に使われた時に(ギャラリーとか美術館以外)、そういう印象は受けないと思う。それが別の用途に使われているのにも関わらず、そのような印象を受けるという事は、建築自体がアート的な要素があるという事かもしれない。さらに、アート的と感じてしまう理由に光に対する執拗なこだわりがあるのかもしれないな。そんな事がわかる展示だった。
 
しかし、カンポバエザの建築とかはいいのだが、今回の展示方法が個人的にはすこしいただけない。非常にスタイリッシュで空間を意識したり、光を意識していて、ある意味カンポバエザの影響とも思われるような展示方法だったのだが、非常に見づらいという展示だった。見づらいってことは展示の本質にも関わってくるから、もうちょっとスタイリッシュじゃなくていいから普通の展示にしてほしかった。外国の方のデザイナーがついていたのだが、そのあたりが残念だった。
 
 

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大巻伸嗣「絶・景ー真空のゆらぎ」

大巻伸嗣さんの展覧会がトーキョーワンダーサイト渋谷でおこなわれていたので、行って来た。やっていたのは、「絶・景 ?真空のゆらぎ」
 
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ゴミを燃やして人工的に生成されたスラグによる作品だったが、これが良かったと思う。何となくゴミを利用してとかいうと、エコとかと結びつけたくなる感じもするかもしれないが、そういうものとして利用されていない。ゴミという汚いものというイメージを利用して昇華させた作品なんだなと理解した。そして、それで時間や空間を表現した作品を作成していた。
 
一つ目に見たものはスラグの船が都会の傍らにあるような作品。そこに自然にあるような空間だったが、静寂と時間を切り取っているかのような空間になっていた。その奥には正反対の静かな空間だが何かがざわめいている力を表したような作品。最後に3つ目に見た作品は空間を転移させたようなスラグの平地から空間を切り取って移動させたような作品でそこにあるものを再理解させるような作品だった。どれも単純に見てもカッコいいとか思ってしまうような作品のクールさがあったがそれ以外にどこか訴えるような感じもして面白かった。今まで見て来た、ECHOとかトリエンナーレで見たシャボン玉というような大巻さんの作品には無かったタイプかなと感じた。
 
 

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柳 宗理展

横浜美術館アートギャラリーでやっていた、柳宗理展に行ってきました。丁度、カメラの電池が切れてしまったので、残念ながら写真はなしです。スイマセン。
 
柳宗理といえば、超有名なインダストリアルデザイナーっていう印象だったんですけど、思ったよりも色々なものをデザインしてました.この展示では、今まで柳さんがデザインして来た色々なものが展示されたりしてました。
 
柳さんの有名なものだと、お皿とか湯のみとかもありますし、冷酒のグラスとかも知らず知らずに使ってると思います。あと、最近CMでやかんをみますが、そういうキッチン用具もたくさん作っていますね。そのほかにも色々、バタフライスツールやエレファントスツールなんていう、デザイン系のショップに行けばあるようなものもつくってます。またこの展示の面白いところで言うと、関越トンネルの入り口とか、高速道路の料金所/壁や、年賀状とかいろいろな細かいもののデザインもありました。
 
多分誰が作ったかわからないものを結構デザインしていたりするようです。そういう作家性のない誰もが普通と思うデザインをたくさんしているようです。今でいうとロングライフデザインになるようなものを意図的につくっていたんでしょう。個人的には柳さんのキッチン道具は幾つか使ってますが、スゴく気に入ってます。展示では知ってるものも多かったんですけど、なかなか面白かったです。
 
 

 

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建築家 坂倉準三展 モダニズムに生きる 人間、都市、空間

鎌倉に行ったのはこれを観に行くためでした。建築家 坂倉準三展 モダニズムに生きる 人間・都市・空間を観に行きました。坂倉さんと言えば、建築界の巨匠のコルビジェの弟子で、東京の風景、特に新宿の風景を作ったと言っても良いと思います。この展示をやっていた神奈川県立近代美術館も坂倉さんの設計です。
 
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この展示は坂倉準三さんの建築物や都市設計をメインとした展示でした。新宿の西口大ガードとかその上にある小田急の設計などをやっていたり、渋谷の東急関連の建物とか、今は亡き五島プラネタリウムが入っていた建物とかをつくっていたり、東京の風景の一部を作ったと言っても過言ではないと思います。
 
また、出光石油と組んだ、モダンなガソリンスタンドのシリーズなども公開されていたりして、これもなかなか良かったです。そのほかにもいくつもの有名な建築を手がけていてそれらの展示でした。
 
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これが、神奈川県立近代美術館ですね。なかなか良い建物でした。古い感じで昔からの雰囲気が伝わって来て良かったですね。展示を観に行ったら、丁度、坂倉淳三さんと一緒に仕事をしていた長大作さんが居て、ビックリでした。弟子?かな?若い人達に昔の話をしながら展示をみていました。スゴい偶然。
 
 

 

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養老天命反転地 × 荒川修作+マドリン・ギンズ

うーん。養老天命反転地を建築とカテゴライズするのも何か違う気もするんですが、かといって展示って感じでもないしなーっていう印象です。まあ芸術的要素が大きい気がしますね。
 
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お椀型にくぼんでいる部分。なんというか、平らな部分が無いというか、正しい平らというものがどういうものか分からなくなるような感じで斜面や傾斜が作られていて、普通にあるものも普通においていない事で、長く遊んでいるとちょっと色々なものがずれてくるという仕組みですね。まさにそれを体感出来ました。
 
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例えば、建物が斜めで床が平らじゃないとか。
 
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建物は平らな場所にあるけど、中に入ると迷路のようになっているとか。
 
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斜面にあって、一見天井は平らなようで、そうでもなくて、中に入る入り口が無いので、強引に床すれすれのところから入ってみたり。
 
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あるところに日本地図が隠れてたり。というか、全体で日本地図がいくつか隠れてるみたいですね。
 
何か口で説明するのも、難しいのですがつまりは現代美術アスレチックみたいな印象でしたね。アスレチックというにはちょっと自然に近い感じもするんですけど。それで遊んでいるうちに別のルールの空間に長い時間いたという風になってちょっと体のルールが変わる気がするって感じですね。なかなか面白かったです。
 
 

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