Archive for 2009年7月

ル・コルビュジエと国立西洋美術館

全然チェックしてなかったんですけど、上野の森美術館に行った帰りに前を通ったらやっていたので、観てきました。ル・コルビュジエと国立西洋美術館です。
 
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個人的にはコルビュジエは、ほとんど国立西洋美術館にかかわってないんじゃないかな?なんて思っていましたが、思ったよりもしっかりと関わっていました。結構いくつかの模型があったりして、それが観れたのもなかなか良かったし、いくつかのスケッチから、本当は周りに別の建物も造る事を検討してて、それが一大ランドスケープみたいになっていたのは観れて良かったです。
 
日本にコルビュジエが関わった建物は一応この建物だけということなので、中を入ってみる事ができたり、弟子達の建築とつながっている様子が分かったりするのが面白かったですね。それにしても、モデュロールをつくって設計されているようでしたが、やっぱりあれを使って建築をつくるとちょっと圧迫感がある気がするのは僕だけでしょうか?コンパクトともいえますが。
 
 

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neoteny japan

原美術館でWinter Gardenを観たんですが、その次にココに来ました。上野の森美術館のneoteny japanですね。
 
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これは高橋コレクション展といえばそうなるようですが、精神科医で現代美術のコレクターの人のコレクション展です。しかし、本当に有名どころもすべてそろってますし、それ以外にもこれから有名になるんじゃないか?っていう人の作品もそろってました。しかも有名な人の作品は最近のものじゃなくて古い作品だったりして、本当にコレクターって存在するんだなって感じすらします。
 
まあ、名前だけ並べますが、そうそうたる面子です。会田誠、青山悟、秋山さやか、池田学、池田光弘、伊藤存、小川信治、小沢剛、小谷元彦、加藤泉、加藤美佳、工藤麻紀子、鴻池朋子、小林孝亘、佐伯洋江、さわひらき、須田悦弘、高嶺格、束芋、千葉正也、照屋勇賢、天明屋尚、できやよい、奈良美智、名和晃平、 西尾康之、町田久美、Mr.、三宅信太郎、村上隆、村瀬恭子、村山留里子、山口晃。
 
このなかにはさっきもマイクロポップとして名前の出て来た人もいますし、そのほかにも色々なところで名前を聞く人もいます。とにかく色々ありすぎて収集がつかないって感じですね。結構個人の作品展でないと背景をしらないで一つの作品だけ観る事になったりするので、良い悪いは良いづらいですが、会田さんの大きな作品とかは初めて見たので結構ビックリしました。さすがというかなんというか。名和晃平のはまあ、いつも通りって感じもありましたけど、初期の作品と今では微妙に変わってきているんだなっていう感じもありましたし。いや。観るところが多すぎて何とも言いがたい感じでした。
 
ただ、これが個人のコレクションだと考えると何だか自分の知らないものすごい世界がアートの世界にはあるんだなと、全然関係ないところに気をとられたというのもあります。これ一体どこに保管してるんだろうか。家に行ったらこういうのたくさんあるんだろうか・・・。いや。想像を絶するという感じですね。作品も代表的なものがそろっている感じだったので、ナカナカ良いもの観れたなっていう感がありました。
 
 
 

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Winter Garden

原美術館にWinter Garden:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開を観に行きました。
 
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マイクロポップって2007年に評論家の松井みどりさんがやった展覧会でそのときに作られた、今のところはまあ、流行語みたいなもんだと思うんだけど、そういう新たなジャンルというか、グルーピングという感じで使われている概念ですね。まあ、世間ではロストジェネレーションとかいわれちゃうような世代が、大々的にアートアート言う力をなくして、細々と身近なものを使って細々とアートしているそういうジャンルのアートを集めてると言う感じですね。まあ、評論家が考えたブームみたいなものだから、音楽で言えば音響とかPOST ROCKとか言われたあの感じに近いのかもしれないですね。
 
でも、まあ、作家としてはあまり気にしてないのかなって思ったりしますね。勝手にジャンル分けされるのと一緒で、まあ別にそう取ってもらっても良いよって感じなんでしょうね。
 
行ったら、まずはじめの部屋で八木良太さんの「VINYL」の演奏がやってて、これを観れたのは良かったな。氷で作られたレコードが少しずつ解けてノイズに変わって行く様子っていうのは、なかなか面白いものがありました。ある種のライブに近い感じでした。これは本当にライブとして演奏したりしても面白いって思いますね。まあ、出来ないと思いますが。
 
そのほかにも結構好きな人や、有名どころも色々集まってました。田中功起さん、Chim↑Pom、泉太郎さんあたりはやっぱ外せないというか、くだらないんだけど面白いっていうか。何となく観ちゃいますね。あと、最近、佐伯洋江さんのドローングは色々なところで観ますね。これはマイクロポップなのか?ってちょっと思いますけど。まあナカナカ流行というモノを捉えるとして面白かったと思います。
 
 

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銀座ギャラリー巡り 09.06.25

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まずは、東京画廊 + BTAPで矢柳 剛 個展「一日一生、365日の痕跡 そして今」を見ました。グラフィックデザイン的なニュアンスとキュビズム的なニュアンスがくっついたような作品と、毎日日記ではないんだけど、書いて行った軌跡が感じられるドローイング作品があったという印象ですね。
 
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次にG8で、JAGDA新人賞受賞作家作品展2009、色部義昭・えぐちりか・岡田善敬・榮良太を観てきました。あー。これ観た観たっていうのは、ドコモダケ位ですかね?でも、それ以外のやつとか、結構好きな感じのもあったりして、スゴいなーなんて思ったりですね。グラッフィックデザインとかも音楽とかと一緒でどれだけやって来たりみてきたりしたかがモノをいいそうだな。
 
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最後はgggでMax Huber – a graphic designerを観てきました。こちらは一転して、完全にフランスとかの西欧のグラフィックデザインですね。ちょっと昔のグラフィックが多いんですけど、それにしても洗練されている。古い感じは否めない部分もありますが、それとは違ってクオリティの高さを痛感すると言うか。レベルの高い作品っていうのはこういうのなのかなぁ?なんて思いながら観てました。

万華鏡の視覚

森美術館でやっていた、万華鏡の視覚に行ってきました。
 
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万華鏡の視覚というタイトルだけあって、視覚を主に利用してそれを歪めてくるようなそういう類いの作品が多かったように思います。やはり光とかを利用している作品も多くて森美術館の展示はいつも面白いなーって感じました。
 
あと、個人的にはジムランビーの床の上を、イェッペハインの玉が転がっているのにはちょっと興奮しました。まあ、ジムランビーの床とかは単体だといつものと変わらないし、何となく飽きてしまう部分は否めないんですけど、イェッペハインの玉が鑑賞している人を襲う様はなかなか面白いものがありました。
 
あと、LSDの噴水とか結構インパクトはありましたね。まあ、実際には希釈して安全なものをつかっているとはいえ、一応正式なLSDですって紙も貼ってあったり。オラファーエリアソンの偏光を使った作品も単純ですが、面白かったかなぁ。光の干渉で色が変わったりとか。あと、部屋中全体がミラーボールのやつはナカナカいい感じでしたね。行ったのが夜だったから、六本木の夜景とあいまってなんかテンション上がります。笑。
 
まあ、全体的にいうとこれはスゴいっていうのはそんなに無かったんだけども、平均的にレベル高いよなーっていう感じのする展示でした。ただ、やっぱり森美術館は面白いんだけども、一般の人達の鑑賞のマナーがあまり良くないのがタマにきずですね。

野村仁 変化する相―時・場・身体

野村仁さんの変化する相―時・場・身体に行ってきました。新国立美術館ですね。全然知らなかったのですが、かなり昔から活動されている現代美術家の方で、今までやってきたことのすべてを網羅しているのかな?かなり大規模な回顧展だったと思います。
 
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写真やビデオやテープをつかったものから、立体や光を使った作品まで色々なものがありましたが、最終的には時間を主に捉えたものが多かったような気がしました。段ボールの大きな造形物が自重で変形していく様をアートしたというものが一番最初にありましたが、時間を切り取ってその様をアートにして行くものがいくつかありました。毎日同じ場所で同じ時間に写真を撮る事で太陽や月の移動を新しい形で見せる事なんかも時間の捉え方といえなくもないと思いますし。
 
何か視点を少し変えて新たにそのものや概念をとらえ直すと言うような事をやっていて、非常に真っ当というか、正しいと言うかそういう現代美術家だなと思いました。やはり昔の人だからでしょうか?変に曲がっていない感じが現代美術としては珍しい感じ刷らしました。そういう意味では、いわゆる現代美術なのかもしれません。
 

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純粋なる形象 ディーターラムスの時代-機能主義デザイン再考

純粋なる形象 ディーターラムスの時代ー機能主義デザイン再考を府中市美術館に観に行きました。府中の森公園なんて行くのは大学卒業してから初じゃないかって言うくらい久しぶりでしたねー。久々の多摩地区は懐かしい感じがしました。って、関係ない話ですが。
 
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今では髭剃りのメーカーのイメージがあるBRAUNのデザイナーのディーターラムスさんのやって来た事を中心にして、機能主義のデザインを再考するという内容ですね。
 
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ポスターにあるような簡単な形に落とし込んだデザインの家電等のものがたくさん並んでしました。それについての歴史的考察や、ディーターラムスさんの良いデザインの10の原則と一緒にモノをみる事ができます。
 
それにしてもこの良いデザインの10の原則は確かにと思ってしまうなー。でも、よく考えれば落とし穴じゃないけど、これにとらわれすぎてもいけないということが、わかるんだろうけども。あまりデザインに詳しくない人や、デザインをあまり多くしていない人とかにとってはかなり影響のある言葉じゃないかなー。(もしかしたら、デザインを多くしてる人の方が影響大きいかもしれないけど。)
 
それに今みても何となく深沢直人さんや、ジャスパーモリソンさんあたりのスーパーノーマル的な考え方や、Appleのデザインにも影響を与えているでしょっていうまとめかただったんだけど、確かにそうだなー、綺麗なデザインだなーって思わされちゃったし。なかなか面白い展示ですよ。デザインやったり気になっている人は是非行くべき。まあそもそもデザインが見た目だけってひとには面白くないかもしれないけど。

安藤忠雄建築展 2009 対決。水の都 大阪VSベニス

サントリーミュージアム天保山に安藤忠雄建築展 2009 対決。水の都 大阪VSベニスを観に行きました。
 
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大阪の中心部を流れている川を利用して、水都大阪再生しようというプロジェクトがあって、そのプロジェクトを安藤さんが中心やっているという感じでしたね。まずはどのように変化するかを巨大な模型でつくって写真と照らし合わせるというような感じでした。広い部屋全体が大阪の模型になっていました。
 
そのあとに現在やっているベニスでの美術イベントや美術館等のプロジェクト。ベニスが水の都なのでそれを利用してどのようなものを作っているかの紹介でした。最後には安藤さんが作って来た様々な水を利用したり、水と関係したりしたプロジェクトを模型や映像なども含めて紹介するという構成になっていました。
 
最初の大阪の模型はちょうど国立国際美術館のあたりの模型だったので、さっきいた場所と照らし合わせながら観るのは面白かったですね。なるほど。そうやって変えるのかみたいなところもありましたし。大阪に住んでる人はもっと色々わかって面白かったと思います。あと、ベニスは色々なところで観たような気がしたんですが、最後の水に関するという分け方で安藤さんの作品をたくさん見た事がなかったので、ナカナカ面白かったです。

杉本博司 歴史の歴史

杉本博司さん歴史の歴史を観に行きました。
 
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これを目的にして今回の旅行があった訳なんですけど、やっぱり悩んだあげく観に行ってよかったですね。杉本さんのアートは一応写真なんだけども、それがあたかも何か違うようなものに見えたり、何か別のものを写していたりするわけで、簡単にまとめてしまうとシリーズごとにコンセプトのあるコンセプチュアルアートとかそういうものに入ると思います。
 
でも、やはり図録とかで見るのとは違うそこにある事でのアートとしての存在感のようなものがあってそれは観に行かないと何とも体験出来ないと言っても良いと思います。前に見た時は森美術館での歴史の歴史という色々なシリーズが集まる大きな展示でしたが、今回は杉本さんのコレクションも半分以上のスペースを使って公開されていました。
 
そのコレクションがまたスゴくて、こういう裏付けがあってこういう作品を作り始めたのかとか、こういうものをコレクションしてるからこそ、あんな発想が生まれるのかという様な、杉本さんの知の源泉に近いところに触れたような気になる作りになっていました。コレクションからそういうものを見てもらってから作品をみるということで、作品に新たな深みが出るという気もするし、これは壮大な自分のプレゼンテーションといっても良いと思えるような内容で、とても面白かったです。
 
例えば、何千年もの昔の化石とかのコレクションがあったりして、そういうところから、ジオラマのアイデアとなる部分があったり、または海景であらたに想像させる太古の海があったりと。そういう源泉的な部分が見れて面白かったし、普通にコレクションをみるだけでも、勉強になっちゃうなっていうくらいしっかりしたコレクションで、これを個人所有とは・・・。ビックリしました。とにかく面白かったです。わざわざ大阪まで観に行ってよかった。
 
 
 

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